副交感神経系は自律神経を構成する神経の一つで、交感神経系と対を成す神経です。
日中、交感神経系が活動時に酷使した脳や体を休息、修復・再生させる役割を持っています。
交感神経系が優位に働くのが主に日中なのに対し、副交感神経系は交感神経系が衰えてくる夜間や睡眠中、休息中の体の活動レベルが低くなる時間帯に活性化し、食事などによって蓄えられた栄養の消化と吸収、分解と合成を行い、細胞の保全活動(修復や再生、記憶の定着化など)が行われます。
つまり、副交感神経系が優位に働いている時は、『体がリラックスして休んでいる状態』という事になります。
交感神経系と副交感神経系を統合した自律神経は、通常は人の概日リズムに従い、夜間は副交感神経系を優位にするように働いています。
しかし、何らかの理由や原因から、自律神経がうまく働かなくなると、これらのバランスが崩れる事になります。
テスト前の一夜漬けや時差ボケのように一時的なものが原因の場合は、体内時計の調整などで自動的に解消されます。
しかし、慢性的に自律神経の働きが悪くなり、交感神経系・副交感神経系がそれぞれ働くべき時に働かなくなると、日中活動すべき時に眠くなったり、夜間寝るべき時に眠れなかったり、と、一般的な社会生活を送ることが困難になるような状態に陥ります。
こうした症状の総称として、自律神経失調症が挙げられます。