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  • 悪夢をAIで制御する。FDA承認NightWareが30-50代に提示する「老いない眠り」と最新の抗老化戦略

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    キャリアの責任が重く、家庭環境も変化しやすい30代から50代。この世代にとって、睡眠は単なる休息ではなく、翌日のパフォーマンスを左右する「生命線」です。しかし、悪夢にうなされて目が覚め、動悸とともに一日が始まる……そんな経験を放置していませんか。睡眠科学の視点では、質の低い眠りは細胞レベルでの老化を早める大きな要因となります。今、この夜の苦痛をテクノロジーで客観的に制御しようとする革新的な動きが加速しています。

    米国で注目される「悪夢を学習するAI」の衝撃

    米国の医療スタートアップ、NightWare Inc(ナイトウェア社)が、投資会社Exit 156 Capitalとの戦略的パートナーシップを発表しました。この提携は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に伴う悪夢障害を対象とした、FDA(米国食品医薬品局)承認のデジタル療法の普及を目的としています。今回のシリーズC資金調達による投資拡大は、米国退役軍人省(VA)での試験運用「VA Pathfinder Innovation Pilot」や、警察・消防といった過酷な現場で働く人々への商用展開を加速させる見通しです。特筆すべきは、これが単なるガジェットではなく、医師の処方を必要とする「処方用デジタル療法(PDT)」として科学的根拠に基づき運用されている点です。

    眠りを妨げず、ストレスだけを解除する仕組み

    NightWareのシステムは、私たちが身近に使用しているApple Watchを活用します。内蔵されたAIが、装着者の心拍数や体の動きを監視し、リアルタイムでストレス指数を算出します。悪夢の前兆である生理的な興奮を検知すると、デバイスが微弱な振動刺激を与えます。この刺激は、患者を「起こさない」絶妙な強さにパーソナライズされており、睡眠サイクルを維持したまま、悪夢という悪循環だけを中断させることをサポートするのです。
    これは、スマートフォンのバッテリーを眠っている間に最適に充電するように、私たちの脳と体を夜の間に効率よく修復させるための、まさに精密な管理技術と言えるでしょう。

    なぜ悪夢は「エイジング」を加速させるのか

    30代を過ぎると、成長ホルモンの分泌が緩やかに低下し始めます。本来、睡眠はこのホルモンを活性化させ、日中のダメージを修復する貴重な時間です。しかし、悪夢によって交感神経が優位な状態が続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが夜間に過剰分泌されます。コルチゾールの慢性的な高値は、肌のコラーゲン合成を阻害し、代謝を低下させ、中年太りや免疫力の減退を招く「老化の加速器」となり得ます。
    NightWareが提供する価値は、単に不快な夢を減らすことだけではありません。睡眠中の過度なストレス反応を抑制することで、30-50代が最も必要とする「回復の質」を底上げし、結果として心身の若々しさを守ることに寄与する可能性があるのです。

    社会実装に向けた期待と、私たちが今できること

    もちろん、こうした革新的な技術が日本で一般的に普及するまでには、各国の規制当局による承認や保険適用の仕組みづくりなど、まだ時間を要する課題もあります。しかし、今回のExit 156 Capitalによる投資は、メンタルケアが個人の努力不足ではなく、テクノロジーという「社会インフラ」によって解決されるべき時代に入ったことを示唆しています。
    私たちが今日から実践できるアクションは、まず自分の睡眠を「可視化」することです。ウェアラブル端末で心拍変動(HRV)の変化を確認し、自身のストレス状態を客観的に把握する。そして、悪夢や中途覚醒が続く場合は単なる疲れと放置せず、専門医への相談を検討する。最新の科学を賢く味方につける姿勢こそが、成熟世代に相応しいヘルスリテラシーです。

    未来への賢い選択:睡眠を科学の手に委ねる

    「夜が来るのが怖い」と感じる時間は、もはや無防備に耐えるだけのものではありません。NightWareのようなテクノロジーの進化は、私たちが抱える目に見えない精神的苦痛を、客観的なデータで解決する道を拓きました。
    30-50代の皆さんに心に留めていただきたいのは、「眠りは自分への最大の投資である」という視点です。最新テクノロジーの動向を注視しながら、まずは今夜の自分の眠りに、もっと関心を持つことから始めてみませんか。科学と共生し、質の高い眠りを取り戻すことは、未来の自分への最高の贈り物になるはずです。

  • 30-50代の「脳の霧」を晴らす。最新の睡眠医学が示す低ナトリウム製剤の可能性と心血管リスク

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    働き盛りの「脳の霧」は病気か、それとも疲れか?

    30代から50代という世代は、キャリアのピークを迎え、家庭では子供の教育や親のケアが重なる、まさに「人生の正念場」にあります。
    そんな中、「日中の耐えがたい眠気」や「集中力の欠如」を、単なる疲れや加齢のせいだと諦めてはいないでしょうか。
    このいわゆる「ブレインフォグ(脳の霧)」のような感覚は、単なる休息不足ではなく、深刻な睡眠障害や、将来の健康リスクを孕んだ「静かな警告」である可能性があります。

    2026年4月、シカゴで開催される米国神経学会(AAN)年次総会において、アイルランドのジャズ・ファーマシューティカルズ(Jazz Pharmaceuticals)社が発表するデータは、この課題に科学的な一石を投じています。
    対象となるのは、FDA(米国食品医薬品局)承認のナルコレプシー・特発性過眠症治療薬「Xywav(一般名:カルシウム・マグネシウム・カリウム・ナトリウムオキシベート)」の最新知見です。
    DUET試験と呼ばれるこの研究では、高用量の低ナトリウム製剤を服用する患者において、いかに認知機能への不満が軽減し、労働生産性の維持に寄与する可能性があるかが、実臨床(リアルワールド)のデータとして示されます。

    心血管を守りながら「眠りの質」を追求する

    30-50代にとって、健康管理の鍵を握るのは「血管の若さ」です。
    従来の強力な睡眠障害治療薬には、効果の反面、高血圧や心血管疾患のリスクを高める「ナトリウム(塩分)」が大量に含まれているというジレンマがありました。
    これは例えるなら、「スマホを急速充電しようとしたら、充電器が異常発熱して本体のバッテリー寿命を縮めてしまう」ような状況です。
    Xywavは、従来の製剤と比較してナトリウム含有量を92%削減することに成功しており、これは単なる薬の改良以上の意味を持ちます。
    心血管系への負担を最小限に抑えつつ、深い睡眠を確保することは、アンチエイジングと全身の健康維持において、極めて誠実で合理的なアプローチと言えるでしょう。

    「脳の掃除」を促し、プレゼンティーイズムを打破する

    今回のDUET試験で特筆すべきは、患者自身の「自己報告」による認知機能や労働生産性の変化に焦点を当てている点です。
    睡眠、特に深いノンレム睡眠の間、私たちの脳内では「グリンパティック・システム」と呼ばれる洗浄機能が活発化し、日中に蓄積した老廃物を洗い流しています。
    質の高い眠りは、いわば「脳のメンテナンス」そのものです。
    ジャズ・ファーマシューティカルズ社のJessa Alexander博士(グローバル・メディカル・アフェアーズ責任者)は、この研究を通じて複雑な疾患への理解を深め、患者が直面する治療のギャップを埋めることの重要性を強調しています。
    適切な介入が、会社には行っているが体調不良で仕事の効率が上がらない「プレゼンティーイズム」の解消をサポートし、社会経済的な価値を生む可能性を示唆しているのです。

    科学的根拠に基づいた「賢い選択」のために

    ただし、最新の医療技術や知見は、すべての悩みを一掃する魔法ではありません。
    以下の点に留意し、多角的な視点で自身の健康を見つめることが大切です。

    • 個別性の尊重:DUET試験で扱われた9グラム以上の高用量といった薬物調整は、必ず睡眠専門医の厳密な管理下で行われるべきものです。
    • 基盤となる生活習慣:薬物療法はあくまでサポートです。規則正しい生活、カフェインマネジメント、寝室環境の整備が「質の高い眠り」の土台となります。
    • 専門医への相談:強い眠気が続く場合、単なる疲労ではなく、睡眠時無呼吸症候群などの疾患が隠れている場合があります。自己判断で強いサプリメント等に頼る前に、まずは医療機関を受診しましょう。

    今日から始める、未来のための睡眠マネジメント

    眠りの質を整えることは、単なる「明日のための休息」ではありません。
    それは、10年後、20年後の脳の健康と血管の若さを守るための、最も確実で価値のある「自分への投資」です。
    「最近、頭がスッキリしない」と感じるのなら、それを「年だから」と受け入れる必要はありません。
    最新の科学的知見を味方につけ、専門家の知恵を賢く借りることで、私たちは何歳からでも本来のパフォーマンスを取り戻すことができるのです。
    今夜の眠りが、あなたの明日の輝き、そして未来の笑顔を形作ります。まずは自分の眠りに関心を持つことから、新しいエイジング・ケアを始めてみませんか。

  • 早朝勤務のパフォーマンス低下を防ぐ科学:新薬ソルリアムフェトールが変える30-50代の健康と美容

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    はじめに:私たちの脳は「日の出前」には対応していない

    30代から50代。キャリアにおいても家庭においても責任が重く、最も多忙な世代である私たちは、しばしば「睡眠」を犠牲にすることで時間を捻出してきました。特に、早朝シフトや深夜勤務、あるいはグローバルな会議に対応するために、まだ外が暗いうちから活動を開始する人々にとって、慢性的な「頭の霧(ブレインフォグ)」や倦怠感は、もはや避けられない「職業病」のように受け入れられています。しかし、生物学的な現実は過酷です。私たちの脳には「概日リズム(サーカディアン・リズム)」という時計が備わっており、本来、太陽が昇る前にフル回転するようには設計されていないのです。最新の研究で注目を集めるソルリアムフェトール(Solriamfetol)の臨床試験結果は、単なる「眠気覚まし」の登場以上の意味を持っています。それは、私たちが「覚醒と睡眠」を科学的にコントロールする新たな時代の幕開けを示唆しているのです。

    1. 研究の核心:ソルリアムフェトールがもたらす「覚醒の質」の変化

    今回、世界的に注目されているのは、交代勤務睡眠障害(Shift Work Disorder: SWD)を抱える早朝シフトワーカーを対象とした臨床試験です。この試験において、ソルリアムフェトールを服用した参加者は、フルタイムの勤務中、一貫して高い覚醒レベルを維持できることが報告されました。これまでのいわゆる「精神刺激薬」とは異なり、ソルリアムフェトールはドーパミンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、脳の覚醒システムにアプローチします。

    ドーパミンとノルアドレナリンの役割

    ドーパミンは「やる気」や「報酬系」に関わり、ノルアドレナリンは「集中力」や「注意維持」に深く関与しています。これら二つの神経伝達物質のバランスを整えることで、単に目を覚まさせるだけでなく、作業の生産性や安全性をサポートすることがデータで示されました。これは、一瞬の判断ミスが大きなリスクにつながる30-50代のリーダー層や、高度な専門職に従事するプロフェッショナルにとって、死活的な意味を持ちます。無理な覚醒を「根性」で維持するのではなく、脳内の受容体レベルでコンディションを整えるという発想への転換が求められています。

    2. なぜこの記事が30-50代の「美容・健康」にとって重要なのか

    このニュースがビジネスハックの域を超え、私たちの美容と健康に直結する理由は、睡眠負債と身体の老化の間に密接な相関関係があるからです。

    慢性的なストレスと肌老化の阻止
    睡眠不足や不規則な覚醒は、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌を招きます。コルチゾールが血中に多く存在し続けると、肌の弾力を支えるコラーゲンの分解が進み、シワやたるみの要因となることが懸念されます。また、睡眠障害は「成長ホルモン」による夜間の細胞修復機能を低下させます。ソルリアムフェトールのような薬理学的アプローチは、日中の覚醒度を高めることで、結果として生活リズムを安定させ、間接的に「過労によるエイジングサイン」を食い止める盾となる可能性を秘めています。
    代謝異常とウェイトコントロール
    30代以降、急激に低下する基礎代謝に対し、睡眠不足はさらなる追い打ちをかけます。不規則な勤務は、満腹感を与える「レプチン」と空腹感を感じさせる「グレリン」のバランスを崩し、高カロリーな食事への欲求を高めます。科学的な介入によって日中の活動状態を安定させることは、不必要な間食を減らし、日中のエネルギー消費を維持することにつながります。つまり、これは「太りにくい体づくり」を支えるための、一つのインフラになり得るのです。

    3. 三つの核心的なポイント:今後のライフスタイル・トレンド

    この記事が提示した知見を、今後のライフスタイルにどう取り入れるべきか、以下の3点に要約しました。

    ① 「意志の力」から「バイオハッキング」への転換

    これまで、早朝の眠気やパフォーマンス低下は「自己管理不足」と片付けられがちでした。しかし、現代科学はそれが生物学的な課題であることを明確に定義しています。今後は、睡眠や覚醒を「気合い」ではなく、サプリメントや先進的なケアツールを用いて最適化する「バイオハッキング」の動きが加速するでしょう。30-50代の層を中心に、覚醒をマネジメントすることが「プロ意識」の一部となる時代が到来します。

    ② 労働安全とウェルビーイングの統合

    早朝勤務者の事故リスクは、極めて高いことが研究で明らかになっています。ソルリアムフェトールが安全性を高めるという結果は、企業の福利厚生や安全管理のあり方を変えるはずです。企業が従業員に対し、「良質な睡眠」だけでなく「勤務中の適正な覚醒」をサポートすることが標準化され、光療法デバイスや科学的根拠に基づいた勤務シフトの設計が導入されるようになります。

    ③ 時間生物学に基づいたパーソナライズ・ビューティー

    私たちの脳が「いつ」働く準備ができているかを無視することの危険性が、改めて浮き彫りになりました。今後は、個人の「クロノタイプ(朝型・夜型の遺伝的傾向)」を特定し、それに合わせた栄養摂取やスキンケアを行う「時間薬理学」的なアプローチが一般化します。「早起きは三文の徳」という一律の美徳ではなく、自分のリズムを守りながら社会生活と折り合いをつけることが、真のアンチエイジングの最前線となるでしょう。

    結論:24時間社会と「自分」を守る戦略

    数百万人が日の出前に働き始める現代において、ソルリアムフェトールのような知見は福音であると同時に、私たちに問いを投げかけています。それは「私たちは、どこまで自然のリズムを技術で補正すべきか」という問いです。30代から50代の私たちにとって最も賢明な選択は、科学の進歩を「無理をするための道具」として使うのではなく、「本来の輝きと健康を維持するためのセーフティネット」として捉えることです。早朝の光を効果的に浴びること、適切な休息時間を確保すること、そして必要であればこうした科学の力を借りてコンディションを整えること。これらを戦略的に組み合わせることで、仕事のパフォーマンスと、年齢に負けない美しさを両立させることができるはずです。脳がまだ準備できていない時間に働くことは、もはや個人の根性論ではなく、科学的に解決し、マネジメントすべき課題となったのです。この記事が示した未来は、私たちの「目覚めている時間」の質を、これまで以上に豊かなものに変えてくれるに違いありません。科学との共生こそが、現代を生きる私たちの心身を守る最強の武器となるのです。

  • ナルコレプシー治療の最前線:睡眠の質を根本から整えパフォーマンスを最大化する方法

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    眠りの質が人生のパフォーマンスを左右する

    日中の耐えがたい眠気や突然の脱力感に襲われるナルコレプシー。この深刻な睡眠障害に対して、有効なアプローチが存在するにもかかわらず、実際には十分に活用されていないという事実が明らかになりました。30代から50代の働き盛りにとって、睡眠の質は仕事の成果や美容、そして健康維持の根幹を成す要素です。今回は最新の研究報告を基に、なぜ優れた選択肢が過小評価されているのか、そして私たちがより良い眠りを目指すために何が必要なのかを深掘りします。

    1. 治療の理想と現実:なぜ選択肢が届かないのか

    現在、ナルコレプシーに伴う過度な眠気や脱力発作に対しては、夜間の睡眠構造を最適化することで日中のコンディションを整える手法が注目されています。しかし、最近の調査によれば、当事者のうち専門家とこれらの具体的な選択肢について話し合ったことがある人はわずか39パーセントにとどまっています。満足度の高い報告が多い方法であっても普及が遅れている背景には、情報の不足や不適切な期待設定という壁が存在します。

    2. 期待値のコントロール:刺激薬との違いを理解する

    多くの人が健康課題に対して即効性を求めがちですが、睡眠の質を根本から整えるプロセスには正しい理解が必要です。専門家は、刺激薬と睡眠構造を整えるアプローチの違いを以下のように整理しています。

    刺激薬(興奮剤)によるアプローチ
    一時的な覚醒を促すもので、即効性が想定される反面、夜間の睡眠の質そのものを変化させるものではありません。
    睡眠構造の再構築によるアプローチ
    夜間の深い休息を促すことで、翌日の眠気を根本的に管理する手法です。変化を感じるまでに数週間の継続が必要となる傾向があります。

    3. 最初の3週間:最も重要な「継続」のハードル

    ケアを開始した場合、1週間以内に眠りの質に変化が表れ始め、2週間目には日中のコンディションに良い兆しが出始めるというデータがあります。しかし、ここで大きな課題となるのが初期の反応です。開始直後の1週間は、一時的な不快感が生じやすい時期でもあります。30代から50代の多忙な世代にとって、この期間をあらかじめ予期し、専門家と相談しながら進めることが、長期的なメリットを享受するための鍵となります。焦らずに体質を整えていく視点が不可欠です。

    4. ライフスタイルへの統合と専門家との対話

    診察時間が限られる中で、自身の生活に最適な方法を見つけるには、専門家との信頼関係(ラポール)が欠かせません。以下のポイントを意識することが推奨されます。

    • 予期される反応を事前に詳しく把握し、対処法を確認しておくこと
    • 服用タイミングなど、生活リズムに合わせた調整を密に相談すること
    • 家族やパートナーにも状況を共有し、協力体制を築いておくこと

    専門家の意見を参考にしつつ、自ら納得して選択する「共有意思決定」が、現代の健康管理におけるスタンダードです。

    5. 孤立を防ぐコミュニティの力と情報活用

    診断を受けた際、周囲に同じ悩みを持つ人がいないと感じる人は9割以上にのぼります。この孤独感が、ケアを継続する意欲を削ぐ一因にもなります。最近では、SNSやオンラインコミュニティを通じて正しい知識を得る機会が増えています。病院の外でのサポート体制を整え、信頼できる情報源を持つことは、もはやサプリメントを摂ることと同じくらい重要な健康投資です。当事者同士の交流は、医療従事者とは異なる視点での支えとなり、心の安定にも大きく寄与します。

    まとめ:質の高い休息は最高の自己投資

    睡眠は、私たちの脳の明晰さ、情緒の安定、そして全身の活力を支える土台です。ナルコレプシーという事例を通じて学べるのは、正しい情報を得ること、専門家と深く対話し、忍耐強く自身の体と向き合うことの大切さです。質の高い睡眠を追求することは、自分自身のポテンシャルを解放し、健やかな未来を築くための最も確実な方法と言えるでしょう。

  • トリプトファンとは

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    トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、体内でセロトニンメラトニンと言った物質の材料となります。そのため、トリプトファンが不足するとセロトニンやメラトニンの不足にもつながり、気分が落ち込みうつ病を起こしたり、寝付きが悪くなり不眠症などの睡眠障害を起こしたりする原因になる場合があります。

    このページの要約

    時間の無い方や、とりあえずパパっと理解したい方はこちらの要約をお読み下さい。

    • トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、食事から摂取する必要がある
    • トリプトファンは肉や魚、豆などタンパク質に多く含まれている
    • トリプトファンはセロトニンやメラトニン、ナイアシンなどの原料となる
    • トリプトファンから合成されるセロトニンは心のバランスを整える
    • メラトニンは睡眠ホルモンとして安眠には欠かせない
    • ナイアシンは栄養の代謝に欠かせないビタミンの一種
    • トリプトファンが不足するとこれらの物質も足りなくなる可能性がある
    • ダイエットや好き嫌いはトリプトファン不足を招く恐れも
    • 女性は女性ホルモンの影響を受けやすくトリプトファン不足には注意が必要

    以下では詳しい内容を紹介します。後でゆっくり読みたい方は、ページをブックマークしておくと便利です。

    トリプトファンは必須アミノ酸

    トリプトファンは人体に必要不可欠で体内で生成することが出来ない、いわゆる必須アミノ酸の一つで、食品のたんぱく質(肉や魚、豆類など)に多く含まれています。(人の必須アミノ酸は全部で9つ)


    トリプトファンは、人体を構成する主要な成分であるたんぱく質の一つとなるアミノ酸です。また、強い抗ストレス作用を持つ『セロトニン』、睡眠ホルモン『メラトニン』、脂肪分解作用を持つ『ナイアシン』、その他にも最近の研究でうつ病や双極性障害などとの関連が指摘されている『キヌレニン』など、人体の恒常性や健康を維持する上で重要な役割を担っている様々な神経伝達物質やホルモン等の前駆体(原料)として利用されています。

    トリプトファンは人体内では独自で作り出すことが出来ないため、食事で摂取する必要があります。トリプトファンの不足を補うためのサプリメントなども販売されています。

    逆に、寝付きの悪さや眠りが浅いなど睡眠の質の悪さや、不安やイライラ、抑うつ症状などでお悩みの方、物事への意欲や仕事中の集中力がない人などはトリプトファンを摂取することで、改善が期待出来るかも知れません。
    ※トリプトファンは不眠症やうつ病など、疾病そのものを治療するものではありません

    トリプトファンの主な働きと効果

    トリプトファンは5-HTPという代謝物質を経て、脳内物質『セロトニン』、睡眠ホルモン『メラトニン』、肥満の改善効果や二日酔いに効果があるナイアシンなど、人間の健康に欠かせない物質に変換される必須アミノ酸です。

    セロトニンの生成
    セロトニンは心のバランスを整える作用のある伝達物質で、セロトニンが不足すると気分の落ち込みやイライラ、激しい怒りなど、感情の起伏が激しくなります。セロトニンの不足は、うつ病不眠症を引き落とすと言われています。また、セロトニンは、睡眠ホルモン『メラトニン』の分泌を促す脳内物質でもあります。
    メラトニンの生成
    メラトニンはセロトニンから合成されるホルモンで、メラトニンが正常に生成させることで自然な睡眠サイクルの維持と快眠効果が期待される、『睡眠ホルモン』と言われる物質です。(トリプトファンがセロトニンを生合成し、セロトニンがメラトニンの分泌を促進するという関係があります。)メラトニンの生成には太陽などのが密接な関わりがあり、2500ルクス以上の光(太陽光、または人工的な強い光)を浴びると脳内で生成され、およそ14時間後に分泌されます。
    メラトニンが分泌されると、体温・脈拍・血圧を下げ、眠気を誘発します。つまり、メラトニンは『朝目覚めてから太陽光を浴び、夜になると自然と眠くなる』、という人間の自然な生活サイクルを作っているわけです。この自然な生活サイクルが崩れる(夜型の生活を続けるなどして)、セロトニンが不足する、などすると、メラトニンがうまく生成できなくなり、不眠症などを引き起こす原因となります。
    ナイアシンの生成
    トリプトファン60mgからナイアシン1mgが肝臓において生合成されるものとされています。
    ナイアシンは糖質・脂質・たんぱく質を代謝・分解するビタミン(B3)で、以下のような働きがあります。
    ・皮膚や神経を健康に保つ
    ・血行を良くし頭痛や冷え性の改善
    ・コレステロールや中世脂肪を代謝しやすくする→肥満の改善
    ・二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する
    ナイアシンが不足すると、皮膚炎、口内炎、神経炎、下痢などの症状が生じる場合があります。逆に、過剰・高用量の摂取により、皮膚が赤くなる、痒くなる可能性、肝障害を発生する可能性、血糖値・尿酸値を上昇させる可能性があります。

    トリプトファンのその他の効果や作用
    その他にも適量のトリプトファンを摂取することで、以下のような効果や作用があります。
    ・抗ストレス(セロトニンによる)
    ・快眠(メラトニンによる)
    ・肥満の改善(ナイアシンによる)
    ・肌荒れ改善、アンチエイジング(メラトニンによる)
    ・筋肉の増強(成長ホルモンによる。また、たんぱく質の材料として)

    生活リズムを整える働きを持つ
    トリプトファンの効果や働きの中で注目すべきは、脳の覚醒に関わるセロトニンや睡眠を促すメラトニンと言った、人の体内時計や概日リズムの維持に欠かせない物質の原料となっている点です。つまり、トリプトファンは、人が『朝起きて夜眠る』という、一見当たり前と思われがちな生活リズムを維持する上で必要不可欠な物質なのです。

    トリプトファンからセロトニンへの変化プロセス

    トリプトファンは体内で作り出すことが出来ず、食品から摂取する必要がある必須アミノ酸です。トリプトファンは体内で様々な役割を果たしますが、中でもうつ病や不眠症に大きく関わるセロトニンへ変化する点と、セロトニンから睡眠ホルモンのメラトニンが生成される点(セロトニン経路)が大きな注目を浴びており、高ストレスや不安解消、快眠効果を期待したサプリメントとしても人気があります。

    ただし、トリプトファンのサプリは、日本国内では栄養補助食品や栄養素としてのみ販売が許可されており、なんらかの効果・効能をうたうことは薬機法上は制限されています。また、サプリメントの多くは個人輸入という形で、海外の製品が販売されていますので、購入や使用の際にはその点に留意して下さい。

    →参考:失敗しない睡眠サプリの選び方

    食品から摂取したトリプトファンの、セロトニンやメラトニンへの合成経路は以下のようになります。

    1. タンパク質を摂取(食品サプリメントから)
    2. トリプトファン(必須アミノ酸)へと分解される
    3. 5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)が合成される
    4. (脳内、日中)セロトニンが合成される
    5. (脳内、寝る前)メラトニンが合成される

    トリプトファンが不足すると

    トリプトファンは、肉や魚など、食品のたんぱく質に含まれるアミノ酸ですから、日常生活の中で極端に不足する事態はあまり起こりません。

    しかし、以下のような場合、トリプトファンの体内への供給が不足してしまう可能性があります。
    ・ダイエット
    ・好き嫌い、偏食
    ・菜食主義(豆や穀類で補給できるが)
    ・食生活の乱れ
    ・腸内環境の悪化

    トリプトファンが不足すると、気分の落ち込みやイライラ、抑うつ症状が現れやすくなったり、不眠や寝付きの悪さ、眠りが浅くなるなど、睡眠の質の低下が起こる可能性があります。こうした場合、脳内ではセロトニンが不足している可能性があります。

    女性はトリプトファン不足に注意

    トリプトファンの不足によって起こる脳内のセロトニンの不足は、男性よりも女性に起こりやすいとされています。女性の場合、生理周期の影響から、女性ホルモンによって脳内で働くセロトニン神経の働きが抑制されてしまう時期があり、その間、セロトニンの分泌が減少してしまうことが分かっています。

    このため、女性は男性よりも脳内でセロトニンを分泌する能力が1/2程度しかないと言われており、これが女性がいらいらやヒステリー、気分障害などを起こしやすい原因であると考えられているのです。

    つまり、セロトニンが不足しやすい女性にとって、トリプトファンは特に欠かすことが出来ない物質のひとつであるといえるのです。

    ★次のページでは『トリプトファンの効果』をご紹介します。

    photo credit: eggs (license)

  • 睡眠の個人差

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    ヒトの睡眠時間はひとりひとりで違っています。かのナポレオンは「一日3時間しか寝なかった」という逸話がある一方で、天才物理学者アインシュタインは一日10時間睡眠を取ったと言われています。睡眠時間は健康状態や環境、年齢、その他多くの要因によっても左右されますが、どうやら人に適した睡眠時間というのは、根本的にひとりひとりで異なっているようです。

    理想の睡眠時間は人により異なる

    睡眠について書かれた書籍やインターネットで調べた快眠するためのコツなどの情報を実践しても、中々満足行く結果が得られない人もいるのではないでしょうか。

    自身の眠りの質に不満を持っている人の多くは、いわゆる統計上のデータにより示された「最適とされる睡眠時間や睡眠方法」に当てはまらない個性(体内時計が統計データより大きく早い、または遅いなど)を持った人、または生活習慣の乱れなど、何らかの原因により、本来の個性が狂ったり発揮できない状態の人が多いのではないかと思います。

    参考:『理想の睡眠時間の見つけ方』はこちらをご覧下さい。

    統計上は、人の体内時計は25時間程度とされているし、最適な睡眠時間は7~8時間であり、レム睡眠・ノンレム睡眠の周期はおよそ90分周期であるとされています。

    しかし、人間はロボットではないので、全ての人が同じではなく、これらの統計データが示しているのは、数字の集合を平均化した結果でしかありません。

    また、こうした個人差はナポレオンやアインシュタインのように、人によって眠る時間が長かったり短かったりするように、ひとりひとりの持つ個人差(遺伝子であったり、環境であったり)によって、必要とされる睡眠時間や方法にも差異があるはずです。

    人の個体毎の特徴や個性である場合以外にも、何らかの睡眠障害から来る場合もあります。

    ショートスリーパーとロングスリーパー

    睡眠に個人差が存在することを示す言葉として、「ショートスリーパー(短眠者)」、「ロングスリーパー(長眠者)」という言葉があります。

    一般的に一日6時間以下の睡眠で満足できる人をショートスリーパー、満足行く睡眠時間が9時間以上の人をロングスリーパーと言います。これらの人々は人口のうち10~20%程度は存在するとされ、残りは平均的な中間層であるとされています。

    これらの睡眠に関わる個性は、人の性格的特徴や才能など、果ては平均寿命にまで一定の影響があると言います。尚、睡眠時間が昔から少ない・多い、というのはこのショート・ロングスリーパーに当てはまるかもしれませんが、ある日突然、眠る時間が短くまたは長くなった、という場合は、何らかの疾患の可能性もありますので、医師に相談する必要もあるかもしれません。

    『早寝早起きのひばり型』と『夜型のふくろう型』

    早寝早起きで朝型の『ひばり型』、遅寝遅起きで夜型の『ふくろう型』、と呼ばれる人々がいます。

    これは単に就労環境(農家や漁師さんのように朝早く起きる必要がある人や、夜勤の人など)や生活習慣から来る場合もありますが、そうではなく、本人の意志(「もっと早く起床したい」、「もっと遅くに就寝したい」など)とは別に、遺伝やその他何らかの原因により、概日リズム睡眠障害という睡眠障害の一種である場合があります。

    概日リズム睡眠障害は睡眠の時間帯が一般的な社会生活上必要とされる、例えば『朝7時に起きて、夜12時に眠る』というような生活リズムを送ることが困難な睡眠障害です。

    前述のひばり型・ふくろう型と呼ばれる人々の一部もこうした睡眠障害を患っている場合があります。通常、人は環境に適応するため、生活リズムを前後させ、睡眠習慣を変化させることができます。概日リズム睡眠障害の場合、睡眠習慣が朝型・夜型に固定されてしまっているため、生活リズムをコントロールすることが難しいのです。

    概日リズム睡眠障害のうち、睡眠相後退症候群睡眠相前進症候群という二つの種類があり、前者は遅寝遅起きのふくろう型、後者は早寝早起きのひばり型といわれる睡眠サイクルに合致します。

    統計的な数字では、睡眠相後退症候群と睡眠相前進症候群はそれぞれ人口の10%ずつ存在し、残りの80%はその中間=一般的な睡眠習慣を持っているとされています。

    現代人の多くの一般的な社会生活は『朝起きて夜眠る』というもので、体内時計の働きにより、大抵の人はある程度規則正しく、同じ時間に起きて、同じ時間に眠りにつくことができます。例えば普通の会社員の場合は、『朝7時に起床し、9時から18時まで働き、夜12時頃眠る』というような生活サイクルが一般的でしょう。

    睡眠相後退症候群の場合、「朝7時に起きる」という生活を維持することが困難な場合があります。また、睡眠相前進症候群の場合、18時まで働いて、その後帰宅する頃には既に真夜中のような眠気が襲っているかも知れません。

    こうした障害は、社会的な認知度も低く本人が自覚していることも殆ど無いため、周りから見ると、ただの怠けモノのように思われることもあり、障害を持つ本人も障害を自覚していないために、自己嫌悪して「自分はダメな人間だ」などと思い込んでしまうことがあります。

    自身が望んでいないにも関わらず、社会生活上、求められる生活習慣を維持できない(朝早く起きれない、夜遅くまで起きていることが出来ない、または、そうした生活を維持・継続することができないなど)場合や、日中の就学・就業の時間中に激しい眠気に襲われる場合など、睡眠障害である場合がありますので、お悩みの方は一度医師にご相談されてみてはいかがでしょうか。

    睡眠の個人差が生じる原因とは

    ショートスリーパーやロングスリーパーのような、睡眠の個人差が生じる原因は、睡眠障害などの可能性を除くと、『睡眠の質の差』にあるのではないかと考えられます。質のよい睡眠を取ると、それだけ脳や体が効率的に休息を取ることが出来るため、短時間でも疲れが取れて、活動を再開することが出来ます。しかし、睡眠の質が悪いと、心身の休息が効率的に行われないため、どうしても睡眠時間が長くなってしまう可能性があります。

    睡眠時間を短くするには『睡眠の質』が重要
    日頃からダラダラと長時間眠ってしまうロングスリーパーの人は、睡眠の質が悪い可能性があります。睡眠の質とは、「睡眠の深さ」と言い換えることも出来ます。

    『睡眠の質』を悪化させるのはストレス
    睡眠の質が悪化してしまう原因の一つが会社や学校、家庭の中で生じる様々なストレスです。ストレスは睡眠の質を悪化させるだけでなく、活性酸素を発生させて肌のシワやシミを増やす、つまり老化の原因ともなります。

    睡眠の質そのものを改善するには、睡眠の質を悪化させる原因となるストレスを解消することが重要ですが、私達現代人は、今の生活習慣そのものを大きく変えることが難しく、ストレスの原因そのもの(会社、仕事、学校、受験、家庭、上司、夫婦関係、など)を消し去ることは困難です。

    となると、ストレスそのものを消し去ることを目指すのではなく、ストレスにより強くなる、ストレスへの抵抗力を向上させることが、ストレスによる睡眠の質の悪化を防ぐ近道ではないでしょうか。
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    当記事に対する筆者の考え
    上では「障害」と記述していますが、繰り返し述べている通り、人は全て同じではないので、あくまでも現代の社会で多くの人が送ることができる「一般的な生活リズム」に合致しないというだけで、その人が持つバイオリズム(一日通しての体温の変化が多くの人と異なっている、セロトニンメラトニンの分泌される時間帯が普通の人とずれている、など)

    は単にその人の個性であるとも言えますので、それが障害である、または異常であるとは言い難いようにも感じ、障害という言葉自体に少し違和感がありますし、それに不快感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、ここではそうした個性や特徴を周知するためにも、敢えて「障害」と書かせて頂いております。

    ★次のページでは『快眠のための10のコツ』をご紹介します。

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  • 睡眠とは

    読むのにかかる時間: 1未満

    人の一生のおよそ1/3もの時間を占める睡眠について、私たちはよく知りません。それどころか、『睡眠は無駄な時間』とか『寝ている時間がもったいない』などと考える人も多く、軽視されがちです。本当に睡眠は必要ないのでしょうか?このコーナーでは、睡眠の仕組みや必要性、役割についてご紹介します。


    睡眠とは

    現象としての睡眠は「周期的に繰り返す意識を喪失する生理的な状態」と表されます。睡眠と気絶や失神との違いは、睡眠は意識が失われていても、外からの刺激で比較的簡単に覚醒するかの違いです。

    また、睡眠の状態は身体の活動状態によって、レム睡眠ノンレム睡眠の二つに大別されます。

    近年の研究により、このレム睡眠とノンレム睡眠時に体内で起こっていることが少しずつ解明されつつあり、それぞれの睡眠状態が果たしている役割や睡眠の効果も解き明かされつつあります。

    睡眠の効果は、端的には例えばエネルギーを節約する、脳や身体を休めたり疲れを癒やす、記憶を定着させる、夢を見て危機への対処をシミュレーションする、などが挙げられます。

    睡眠の段階と種類

    人の眠りは、急速な眼球運動を伴った睡眠であるレム睡眠と、それ以外のノンレム睡眠に分けられます。また、ノンレム睡眠は眠りの深さによって、4つに分けられ、それらを総じて以下の5段階に分類されます。

    ノンレム睡眠
    ・第1段階(入眠期)
    ・第2段階(すやすや)
    ・第3段階(深睡眠)
    ・第4段階(最深睡眠)

    レム睡眠
    ・第5段階(夢見睡眠,逆説睡眠)

    ノンレム睡眠

    睡眠第1段階~第4段階まで、覚醒度に応じた段階が定義されています。ノンレム睡眠は、「non-REM」つまり、レム睡眠ではない睡眠状態の総称で、脳が眠っている状態』と表現されます。

    ■睡眠第1段階
    入眠時で眠気がさしているが、身体に触れただけで起きる程度に意識があるような状態です。脳波ではアルファ波が減り、シータ波とベータ波が混ざって出現します。「アルファ波の割合が50%以下になると睡眠第1段階」と定義付けられています。短い夢を見ることがあり、まどろみ期、入眠期とも言われます。
    全睡眠時間のおよそ5%程度。
    ■睡眠第2段階
    浅い眠りに入った状態で、俗に言う「すやすや眠った状態」で、軽く寝息を立てている状態です。比較的安定した睡眠状態で、ノンレム睡眠の中では最も割合が多く、このとき、意識はなくなっています。脳波の特徴としては睡眠紡錘波とK複合波が出現した状態。
    ■睡眠第3段階
    脳波ではシータ波が20%以上50%未満を占める状態。完全に意識が無くなった深い眠りに入った状態で、徐波睡眠、深睡眠とも言われます。体温は低下し、呼吸や心拍数は減少します。
    全睡眠時間のおよそ10%程度
    ■睡眠第4段階
    脳波ではシータ波が50%以上を占める段階。最も深い眠りの状態。徐波睡眠、深睡眠。
    全睡眠時間のおよそ10%程度

    レム睡眠

    レム睡眠は、睡眠第5段階と表されることもあります。レム睡眠の所以(ゆえん)は、REMは英語の[Rapid Eye Movement(急速眼球運動)]のことで、眼球が急速にキョロキョロと運動をしている状態です。

    脳波は睡眠第1段階に似た低振幅パターンを示し、脳波からは睡眠第1段階とレム睡眠は容易に区別出来ない状態で、眼球運動の有無や体性神経の活動状況によって判別します。

    一晩の睡眠のうち、レム睡眠はおよそ20%~25%程度を占め(年齢や個人差あり)、「身体は眠っていて脳は覚醒に近い状態」と表現されます。

    レム睡眠の時に夢を見ている事が多いため、「夢見睡眠」とも呼ばれます。
    ※正確には、レム睡眠時は「夢を見ていたということを覚えていること」が多いだけで、レム睡眠以外の時も夢を見る。

    レム睡眠時は、意識が覚醒に近い状態であることから、睡眠の深さは浅い状態と表現されることが多いのですが、身体を揺すった程度では起きない程度には眠っています。

    ノンレム睡眠時が「脳が眠っている状態」であるのに対して、レム睡眠時は体性神経や自律神経の働きが低下し身体が眠っている状態(筋肉が弛緩している状態)と表現されることから、以前は「逆説睡眠」と呼ばれてきました。

    レム睡眠時は筋肉が弛緩しているため、しばしば『身体が休んでいる状態』と表される事がありますが、肉体の疲労回復などの効果がある成長ホルモンがノンレム睡眠時に分泌されていること、レム睡眠時に明確な夢を見る(現実のシミュレーションと考えられる)こと、交感神経が働き出すこと、脳が覚醒に近い状態であることから、『脳が起きる準備をしている状態』というがより正しい表現であるのではないかと思います。

    ところで、レム睡眠時は体の活動状態は低く、ぐったりしていて、筋肉は弛緩しているため、何らかのはずみで覚醒しても金縛りのような状態になることがあります。

    また、レム睡眠時には脳内の扁桃体が活性化し、不安や恐怖といった感情が関わる夢を見やすいとされています。一説には、こうした夢を見るのは、危機的な状況へ対するシミュレーションであるとも言われています。

    レム睡眠時に筋肉が弛緩するのは、夢を見ている時に身体が動かないようにするための仕組みだとも言われており、夢への身体の反応の一つとしてよく知られるものに寝言があります。夢への反応を抑える仕組みに異常があると、激しく寝言を言ったり、夢を見ている時に身体が反応して動いてしまい、暴れたり、一緒に誰か寝ている場合などはその人を殴ってしまったり、無意識のまま歩きまわったりします。

    こうした睡眠時の異常行動は夢遊病やせん妄(delirium)が知られており、総じて「レム睡眠行動障害」と呼び、睡眠障害のうち睡眠時随伴症に分類されます。

    また、レム睡眠時は自律神経の働きが不安定になることから、血圧や心拍の上昇、発汗などを伴い、脈拍や呼吸は不規則になりやすくなります。レム睡眠が増えすぎると心疾患や高血圧症のリスクも増えるとも考えられています。

    実際、睡眠時間と健康の関係を調べた統計データでは、睡眠時間が平均よりも長くなりすぎると寿命が短くなるという結果が出ています。これは、睡眠時間が長くなることで、レム睡眠の割合が増えることが、病気のリスクを高めているという見方がされています。

    睡眠周期

    レム睡眠とノンレム睡眠は、それぞれが交互に現れ、波のように繰り返す性質があります。一般的にレム睡眠とノンレム睡眠の1サイクルを「睡眠周期」と表現します。

    統計上の平均的な睡眠パターンでは、レム睡眠とノンレム睡眠はおよそ90分(平均値)が1サイクルになっており、そのうちノンレム睡眠(第二~第4段階)が60~80分出現し、その後、レム睡眠が10~30分ほど続き、睡眠周期の1サイクルが終了します。つまり、睡眠周期の1サイクルは平均90分ですが個人により、70分~110分程度までの違いがある場合があります。

    ※個人でもその日の疲れ具合などにより、睡眠の深さが変わってくるため、睡眠周期は日ごとに異なります。

    一晩に6~8時間ほど眠ると4回から5回の睡眠周期が現れます。
    ※周期の回数や時間には個人差があります。

    また、睡眠の前半と後半では、レム・ノンレムの出現する割合が異なり、一般的に睡眠前半(入眠後まもなく)は、1サイクルに占める深いノンレム睡眠の割合が多く、レム睡眠の割合は少ない状態です。逆に睡眠後半(起床間近)では、深いノンレム睡眠の割合は減り、レム睡眠や浅いノンレム睡眠の割合が多くなり、時間の経過とともに眠りが浅くなっていきます。

    (下図参照)

    睡眠リズムのイメージ図

    睡眠リズムのイメージ図

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    自分の睡眠周期がわからない人や、理想的な睡眠時間を調べるには『理想的な睡眠時間を見つけるために知っておくべきこと』をご覧ください。

    睡眠と脳波

    脳波とは脳から生じる電気信号のことで、人の活動段階に応じて特徴的な脳波パターンが発せられることが分かっています。 脳波計などで脳波を測ることで眠っているかどうかや、眠りの深さを計ることが出来ます。

    また、何らかの薬剤の使用時や睡眠障害など特定の疾患では、特異な脳波を示す場合があり、そうした疾患の検査にも脳波は利用されます。

    睡眠の段階も、脳波の周波数によって分類されており、周波数が下がるにつれ覚醒度も低くなります。

    ■ベータ波(Beta wave,β波)
    周波数が毎秒12Hz以上、速波。
    高ベータ波 (19Hz+)、ベータ波 (15-18Hz)、低ベータ波 (12-15Hz)の3つに分類される速くて不規則な脳波。主に、日中の覚醒時で脳や身体が活発に活動しているときに現れます。
    交感神経が優位で、何らかのストレスを受けてイライラしたり、緊張や興奮した状態のときに現れ、脈拍や呼吸も早くなります。
    ベータ波が多い生活(心配事やイライラやストレスが多い)は、ストレスホルモンであるノルアドレナリンアドレナリンコルチゾールなどが分泌され、活性酸素が増えたり、自己免疫力が低下したりと、健康にもよくないと言われます。
    ■アルファ波(Alpha wave,α波)
    周波数が毎秒8~13Hz。
    目をつぶった時や、座禅を組んだ時や瞑想しているとき、リラックスしてクラシック音楽を聞いているとき、入眠前はアルファ波が多くなります。覚醒時でも、精神や肉体がリラックスした時に現れ、ひらめきや企画立案、仕事で集中力を発揮するのに最適な脳の状態と言われます。
    アルファ波は各脳波の基準になっており、α波よりも周波数が速い(ベータ波、ガンマ波)と「速波」、遅い(シータ波、デルタ波)と「徐波」と言われます。
    アルファ波が出ているときは、潜在脳(左脳)が活性化され、潜在脳から情報を引き出すことで、記憶力、ひらめき、想像力などを高める効果があるとされています。また、アルファ波が放出されている時に分泌されるβエンドルフィンには、痛みやストレスの軽減や解消、気分の高揚と幸福感、免疫力の強化、脳内のセロトニン神経の活性化などの効果があります。
    ■シータ波(Theta wave,θ波)
    周波数が毎秒4~7Hz。
    うとうと、ぼんやり、まどろんだ状態で意識のない状態で、入眠直後に多く現れます。修行を積んだ場合、深い瞑想の時にも現れると言われます。 (一般人には難しい)
    記憶の定着や学習、閃きやインスピレーションに適している脳波の状態とされています。
    ■デルタ波(Delta wave,δ波)
    周波数が毎秒1~3hz。
    深い眠りに就いている時に現れる波形。完全な無意識の状態で、睡眠段階ではデルタ波の割合が20%を超えると第3段階、50%を超えると第4段階に分類されます。
    ■ガンマ波(Gamma wave,γ波)
    周波数が毎秒40Hz以上、または26~70Hzの間とされます。
    ※ガンマ波はベータ波の一部とみなされることもあります。
    意志の決定、計画立案や実行といった、高次認知機能(実行機能とも呼ばれる)に関わりがあるとも考えられています。活動エネルギーや集中力を増加させるともされ、スポーツでパフォーマンスを発揮するのに有効で、株のデイトレのような瞬時の判断をするときにも働いているとされています。
    ただし、ガンマ波が出ているときは、強い興奮状態を表すときでもあるため、長時間の継続は身体に悪影響が出る場合があります。
    ■睡眠紡錘波(すいみんぼうすいは)
    睡眠時にみられる特徴的な脳波。出現パターンが紡錘の形に似ていることからこの名前がついています。睡眠の第2段階から現れ、ノンレム睡眠の判定に用いられます。

    睡眠中のホルモン分泌

    睡眠中の成長ホルモンは、ノンレム睡眠時に多く分泌されます。中でも、「入眠後の最初のノンレム睡眠」には最も多く成長ホルモンが分泌され、心身の、特に体よりも脳が酷使されやすい現代では、脳疲労の回復、怪我や傷の修復・再生が行われます。このことから、心身の疲れを取り除いたり、老化防止や肌のケアには、入眠直後の睡眠が特に重要であると言われています。

    入眠直後の4時間程の時間を『睡眠のコアタイム』などと呼ぶこともあります。
    ※夜10時から2時が睡眠のゴールデンタイムである、というのは誤りです。

    一方で、眠る時間の経過とともに、身体は起床に向けた準備を始めます。睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量は減り、逆にストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増え、血圧が上がり始め、徐々に眠りが浅くなり覚醒に向かいます。

    眠らないとどうなるか

    人生の1/3という膨大な時間を占める睡眠。

    睡眠時間を減らせれば時間をもっと有効活用出来る』と考える人は少なく無いと思います。

    特に今の忙しい世の中では、1日のうちで削りやすいのは睡眠の時間です。そんな世相のせいか、様々な短眠法なども生み出され続けています。

    では、実際に眠らないと、人の体にはどのようなことが起きるでしょうか?

    • 徹夜などで一晩眠らないだけでも、反応速度思考力、判断力に減衰が起こり、飲酒した時と同じような状態になります。
    • 長期的な影響では、ある人が過去に挑んだ不眠記録に11日連続して起き続けたという記録があるそうですが、時間の経過とともに妄想や幻覚、記憶障害の症状が現れたそうです。
    • 睡眠時間が平均よりも短い人は、寿命が短くなるという統計データもあります。

    尚、厳密には、何日も寝ないと無意識のうちにマイクロスリープ(ごく短い間(数分の一秒から、長くても数十秒)の睡眠)が起こるので、完全に意識して眠らないということは、人間には不可能です。

    マイクロスリープは多くの場合、睡眠不足や脳疲労が原因で起こりますが、その他にもナルコレプシーや過眠症と言った睡眠障害が原因でマイクロスリープが起こる場合もあり、自動車事故などに繋がるケースもあります。

    眠らないと上記のような症状意外にも、様々な睡眠不足の症状が発生することが考えられ、長期的な睡眠不足は生命の維持にも関わります。

    こうしたことから端的にいうと、睡眠をとることとは、『健康を維持すること』または『生きることそのもの』。

    睡眠は、生きる上で安易に削ってはならないものだと言えます。人生の1/3という時間を占めるからこそ、どうやってうまく削るかを考えるよりも、睡眠を楽しみ、上手に付き合えるほうが幸せなのではないでしょうか。

    睡眠に関わる様々な仕組み

    ★人はなぜ夢を見るのか
    長い間、人がなぜ夢を見るのか分かっていませんでしたが、夢を見ることで体験した記憶を反芻(はんすう)し、未来に起こるかもしれない様々な状況にうまく対応するためのシミュレーションをしているという説があります。

    これは人類が歴史上、常に脅威と隣合わせで生命の危機に瀕してきたことに関係していて、種の保存法の一貫として、無防備な就寝中にも危機的な状態を常にシミュレーションするためのものであると考えられます。

    ★スッキリ起きやすい時間は90分刻み
    これらのレム・ノンレム睡眠はおよそ90分単位(※個人差あり)で波のように周期的に繰り返されるとされ、朝スッキリと目覚めるには、睡眠後3時間経過してから90分単位で起床時間を計算すると良いと言われています。このことから、およそ4時間半、6時間、7時間半がスッキリ目覚めるのに適した睡眠時間であると言われています。

    『最適な睡眠時間』についてはこちら

    ★眠りをコントロールする二つの人体メカニズム
    ヒトの眠りは二つのメカニズム「サーカディアンリズム(概日リズム)」と「ホメオスタシス(恒常性維持機構)」によって、コントロールされています。 これらのメカニズムを理解し、それに則した生活を送ることが、快適な睡眠への近道ではないでしょうか。

    二つの人体メカニズム』についてはこちら

    ★眠りを誘うホルモン「メラトニン」
    人が朝起きて夜眠るという生活リズムを維持する上で欠かせないのが、上であげた二つのメカニズムの他に睡眠ホルモン「メラトニン」です。
    メラトニンは不眠症などとも関わりのあるホルモンです。

    詳しくは『メラトニンとは』をご覧ください。

    ★睡眠と成長ホルモンの関係
    睡眠が不足すると、成長ホルモンの分泌が減り、身長が伸びない、肌が荒れる、太りやすくなる、疲れが取れない、病気になりやすい、など様々な影響が出てしまいます。

    詳しくは『睡眠と成長ホルモン』をご覧ください。

    ★眠りの深さと記憶力の関係
    眠りの深さや睡眠の質(睡眠効率)は、記憶力や学習能力に影響を与えています。人は加齢とともに徐々に睡眠を維持する力が衰えていき、眠りが浅くなりなります。すると、時間あたりの睡眠効率も下がり、中途覚醒が増えます。
    (入眠後に何度も目が覚めるようになる。)

    高齢者の場合は、中途覚醒を繰り返しても、日中の脳の記憶力や学習効果への影響は少ないとされます。ところが、若年層では、中途覚醒による記憶力や学習効果の鈍化は顕著になります。若ければ若いほど、睡眠の質が重要であると言えます。

    ところで、睡眠時間と記憶力や学習効果を比較すると、1時間半(90分、睡眠周期の1サイクル分)の昼寝をとると一晩分の睡眠と等しい記憶力や学習効率の向上効果が得られるという研究データもあります。

    社会人には1時間半もの休憩時間を確保することは難しいですが、たとえ20分の昼寝であっても、目覚ましい効果が期待できますので、昨夜の寝不足や日中の眠気を感じた時は、コーヒーで無理やり目をさますのではなく、20分の昼寝をお試しください。

    忙しい毎日の中で睡眠時間がどうしても足りない人は、睡眠効率を最大化するために『睡眠サプリ』を試してみると良いかもしれません。


    詳しくは『疲労とストレスを解消する「正しい昼寝」とは』をご覧ください。

    ★次のページでは『睡眠をコントロールする人体メカニズム』をご紹介します。

    photo credit: Shhhh! Sleeping (license)

  • セロトニン不足の原因と症状、解消法

    読むのにかかる時間: 1未満

    セロトニンが不足することで、気分の落ち込みや無気力などの症状や不眠症状、うつ病等の精神疾病など、様々な悪影響が現れる可能性があります。セロトニンは、ノルアドレナリンドーパミンと並んで「三大神経伝達物質」と呼ばれており、不足すると衝動的になったりキレやすくなるなど、心身のバランスも崩れやすくなります。
    →セロトニン不足チェック

    セロトニンと三大神経伝達物質

    セロトニンが不足した時の症状やその原因を紹介する前に、簡単に3つの神経伝達物質の役割や作用をおさらいします。

    三大神経伝達物質の主な作用
    セロトニン:衝動、心身の安定、心の安らぎ
    ノルアドレナリン:興奮、意欲、不安、恐怖
    ドーパミン:快感、意欲、学習、モチベーション

    心身のバランスを保っているセロトニンの不足や過多により、ノルアドレナリンやドーパミンの作用が過剰(効きすぎる)になったり、逆に過度に抑制されやすくなります。心のバランスにとって理想的なのはこれら3つの物質が過不足なく分泌された状態です。

    セロトニン不足時に起こりやすい症状

    セロトニンが不足していると、以下のような様々な症状が起こりやすいと考えられています。
    (症状の一例です。症状は人により異なります。)

    セロトニン不足の身体症状
    疲れやすい ・食べ過ぎる/食欲がない(過食・拒食) ・寝付きが悪い/眠れない(不眠) ・日中眠い ・肩こりになりやすい ・偏頭痛がでる ・痛みに敏感になる ・便秘や下痢 ・老け顔や暗い顔 ・姿勢が悪くなる ・低体温 ・免疫力の低下で風邪を引きやすくなる
    セロトニン不足の精神症状
    ・ぼーっとする ・やる気が起きない ・集中力がない ・怒りっぽくなる ・イライラする ・キレっぽい ・落ち込みやすい ・すぐくよくよする ・感情的になりやすい ・衝動的になりやすい ・何事にも過敏/敏感になりやすい ・欲求不満 ・緊張しやすい ・ストレスが溜まりやすい ・依存症になりやすい

    こうした身体/精神症状が慢性的に現れるような場合は、脳内のセロトニンが不足している状態、いわゆる「セロトニン欠乏脳」になっている可能性があります。

    特に気をつけたい症状

    セロトニンの不足は、心身に様々な影響を及ぼします。その中でも、特に気をつけ無くてはならないいくつかの症状をご紹介します。

    メラトニン不足から不眠を招く
    特に、セロトニンは睡眠ホルモン『メラトニン』の前駆体であるため、セロトニンが不足するとメラトニンも不足しやすくなり、その結果、寝付きが悪い、不眠、寝不足、日中眠たいなどの睡眠に関する弊害が起こりやすくなります。

    成長ホルモン不足で疲労や免疫低下
    さらに人の睡眠時には成長ホルモンが分泌されていますが、メラトニンが不足して睡眠不足睡眠の質が低下すると、成長ホルモンが分泌されにくくなるため、そこから免疫力が低下して風邪を引きやすい、傷が治らない、疲れが取れない、シミやシワが増える、肌が老化する、脂肪が増えて肥満になりやすい、などの影響も出てくることが考えられます。

    ドーパミンの暴走
    セロトニンはドーパミンが適切に働くようにバランスを取る働きをしているため、セロトニンが不足すると、ドーパミンは暴走しやすくなります。

    別名『快楽ホルモン』とも呼ばれるドーパミンの暴走が起こると、後先考えずに目先の快楽や快感ばかりを求めてしまい、様々な依存症にもなりやすいとされます。

    買い物依存症/ギャンブル依存症/アルコール依存症/ネット依存症/ゲーム依存症/テレビ依存症などの依存症はセロトニンが不足すると陥りやすいと言われています。

    ノルアドレナリンの暴走
    セロトニンの不足は、ドーパミンの暴走だけでなく、ノルアドレナリンの暴走も招きます。

    怒りのホルモンとも呼ばれるノルアドレナリンが暴走することで、すぐにハイテンションになって暴れたり、攻撃性が増すことが考えられ、イライラしてキレやすく怒りっぽくなるのも、セロトニンの不足によってノルアドレナリンの暴走したときの精神特徴の一つです。

    様々な精神疾患に罹りやすい
    最後に、セロトニン不足は様々な精神・身体疾患との関連もあるとも考えられています。

    うつ病
    自律神経失調症
    不眠症を始めとした睡眠障害
    ・統合失調症
    ・パニック障害
    ・強迫性障害(潔癖症など)

    ※定説ではない仮説も含みます。例えば、セロトニン不足がうつ病の原因であるという説(セロトニン仮説)は有名ですが、これは有力な仮説の一つであるものの、科学的に確定した定説ではありません。詳しくは『うつ病の原因』をご覧下さい。

    →セロトニン不足を簡単にチェックできるアプリ

    セロトニン不足時の神経伝達物質のバランス

    セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンなどの働きを正常に保ち、精神のバランスを保つ働きをしています。そのためセロトニンが不足すれば精神のバランスが崩れてしまいます。

    セロトニン不足によって起こる症状は、同じく神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンがどのように分泌されているかによっても症状が異なってきます。

    セロトニン不足+ドーパミン過剰
    ドーパミンが過剰になると、欲望の暴走という形で症状が現れやすくなります。

    普段はセロトニンによって担われていた、「欲望への歯止め」が効かなくなるため、過食やギャンブル、タバコ、酒、恋愛、共依存、ネット依存、スマホ依存など、何かに深くのめり込みやすく、『依存症』を起こしやすくなります。

    ドーパミンの暴走は、日常生活での「感情の抑圧」や「我慢のしすぎ」によって起こるストレスが引き金になります。「やりたいことが出来ない」、「言いたいことが言えない」というストレスは、我慢を続けることでセロトニンを消費し続ける一方、やりたいことへの渇望が、「お預け中の犬」のようにドーパミンの分泌を増加させてしまうのです。

    セロトニン不足+ドーパミン不足
    ドーパミンは、物事への意欲やモチベーションを生み出す物質です。セロトニンとドーパミンが同時に不足すると、物事への意欲が喪失し、「やる気が出ない」状態になります。無気力で物事への関心も薄れます。

    ドーパミンには意欲によってストレスに打ち勝つ作用もありますが、不足すればそうした作用は失われ、ストレスを受けるとすぐにくよくよしたり、行動力が低下して家から出るのもままならなくなり、引きこもりがちになったりします。

    セロトニン不足+ノルアドレナリン過剰
    世の中には常にハイテンションな人や、ちょっとしたことでも怒り狂って怒鳴り散らす人がいます。こうした人の中にはノルアドレナリンの分泌が過剰になっている人がおり、同時に過剰なノルアドレナリンによってセロトニンが消費されて、不足してしまうことがあります。

    セロトニンの不足とノルアドレナリンの過剰によって起こるのは、すぐに激昂する、狂喜乱舞、攻撃性や暴力性を増す、常に落ち着きがない、集中力がない、などの症状が現れやすくなります。

    また、ノルアドレナリンは交感神経系を刺激して血圧を上昇させますので、ストレス等によって慢性的に過剰な状態が続けば、長期的には高血圧症や、それによって起こる心筋梗塞、脳梗塞、また、様々な生活習慣病などの発生リスクを高めます。

    セロトニン不足+ノルアドレナリン不足
    ノルアドレナリンやセロトニンは、ストレスに対抗するために分泌されます。ストレスが長期間続けば、やがてこれらの物質は材料が枯渇して、不足に転じます。

    セロトニンとノルアドレナリンの両方が不足した状態では、ストレスへの耐性が下がり、パニックを起こしたり、普段は気にならない小さなこと(例えば周囲の音や臭いなど)が気になって仕方がない、消極的になる、ネガティブな感情が現れる(恐怖、自殺観念、強迫観念、不安感など)、プレッシャーに弱く物事から逃避してしまう、などの症状が起こりやすくなります。

    セロトニンとノルアドレナリンが同時に不足したときの症状は、うつ病の発症時の症状ともよく似ており、実際、うつ病の治療に使用される抗うつ薬では、セロトニンやノルアドレナリンの脳内の濃度を高める薬が用いられることが多いです。

    セロトニンの不足と、それによって神経伝達物質のバランスが崩壊することで、様々な症状が起こります。特に、ストレスがセロトニンを不足させ、神経伝達物質のバランスを乱す最大の要因です。

    セロトニンが不足する原因

    ストレス
    脳内のセロトニンが欠乏する大きな原因になるのがストレスです。ストレスで落ち込んだりすることは誰にでもあることですが、大抵の場合は時間の経過と共にストレスは減り、気分の落ち込みも治るものです。

    しかし、例えば職場でパワハラを受け続けたり、学校でのイジメなど、長期間に渡って慢性的なストレスを受けることで、脳内のノルアドレナリンやセロトニンが徐々に不足して枯渇していく可能性があります。

    現代社会には、至るところにこうした逃れることが難しいストレスが満ち溢れているため、全てのストレスを回避することは容易では無く、その結果、多くの人がセロトニン不足に陥ってしまうのだと考えられます。

    詳しくは『セロトニンとストレス』をご覧ください。

    BDNF(脳由来神経栄養因子)の減少
    BDNFは、脳内の神経細胞の新生を促したり、神経細胞を保護する働きのある物質です。セロトニンを合成するセロトニン神経も、BDNFの働きによって機能が正常に保たれていると考えられます。

    BDNFはストレスによって減少することが明らかになっており、[ストレスが長く続く→BDNFが減少する→セロトニン神経の機能が低下する→セロトニンの合成量が減少する→セロトニンが不足する]という流れでセロトニン不足が起こる可能性があるのです。

    太陽光を浴びない生活
    セロトニンは太陽光(またはそれに似た強い光)を知覚することで活性化されるため、太陽光を浴びないとセロトニンが不足する可能性があります。太陽光は心の健康にとって非常に重要です。

    日頃忙しくゆっくり太陽光を浴びる機会がない人や、紫外線が気になる人には光目覚まし時計がおすすめです。

    詳しくは『光目覚まし時計』をご覧ください。

    運動不足
    脳内のセロトニン神経はスクワットや階段の昇り降りのような、周期的に繰り返されるリズム運動で活性化されることが分かっており、リズム運動の不足がセロトニン不足を招く恐れがあります。意識して行えるリズム運動には、呼吸、ウォーキング、ランニング、サイクリング、咀嚼、フラフープ、ダンスなどがあります。

    ダイエットや栄養の偏った食生活
    セロトニンの原料となる、トリプトファンという必須アミノ酸は食事から摂取する必要があります。トリプトファン以外にも、炭水化物やビタミンB6、ミネラルなどもセロトニンの生成には必要なため、ダイエットなどで偏食により、栄養バランスが偏るとセロトニンが不足する可能性があります。

    また、食べ物を噛む行為(咀嚼:そしゃく)は上で挙げたリズム運動に合致しますので、例えば流動食のようなアゴを使わずに食べれるものばかりでは咀嚼が減ってしまい、よくありません。

    不規則な生活習慣
    セロトニンは太陽が出ている日中の交感神経系が優位な時間帯に生成されますが、起きる時間や就寝時間がバラバラで不規則な生活習慣を続けている人や、夜更かし、寝不足、交代勤務、徹夜、昼夜逆転など、多様な現代社会の生活スタイルがセロトニン不足を誘発する可能性があります。

    人との交流/コミュニケーションの不足
    セロトニンはグルーミングと言われる、人との交流の中で活性化される性質があります。核家族化が進み、ご近所付き合いも少なって、人との関わりが希薄な現代社会は、セロトニンが不足しやすい環境でもあります。

    また、不登校や引き篭もりをして社会との関係を途絶してしまうと、セロトニン不足はさらに深刻化します。パソコン上でのコミュニケーションはセロトニンの合成には向かないと言われています。

    腸内環境の悪化
    セロトニンの原料である『トリプトファン』は、体内で分解される際にビタミンB6を必要とします。ビタミンB6は、食事から摂取する以外に腸内細菌(善玉菌)によって生合成されています。

    偏食などで腸内環境が悪化すると、腸内の善玉菌も減少してしまうため、トリプトファンの分解効率が悪くなり、その結果セロトニンが不足してしまう可能性があります。

    詳しくは『セロトニンと腸内環境』をご覧ください。

    尚、抗生剤を飲むと、腸内細菌が減少してしまうことが知られています。また、腸内環境が悪化する原因は、ご紹介しているストレス/運動不足/偏食/不規則な生活など、セロトニンが不足する原因とも合致します。

    つまり、腸内環境を整えることは、セロトニン不足の改善にも役立ちます。
    詳しくは『セロトニンと腸内細菌』をご覧ください。

    加齢
    人の神経細胞は加齢により減少していき、神経細胞の一種であるセロトニン神経も減少します。加齢によるセロトニンの減少は自然な現象ではあります。しかし、加齢によってセロトニンが減少する場合も、セロトニン不足による様々な影響が生じることに変わりありません。一般的に加齢によってセロトニンが減少することで、背筋が曲がったり、顔がたるむなどの影響が出やすくなります。

    詳しくは、『加齢とともにセロトニンが減少する』をご覧ください。

    また、加齢によって起こるホルモンバランスの乱れも、セロトニンを減少させる原因となります。ホルモンバランスの乱れは自律神経系の乱れに繋がり、自律神経系の乱れがセロトニンが不足しやすくなると考えられます。

    ホルモンバランスの乱れによって起こる代表的な症状は、50代の男女で起こしやすい更年期障害です。

    詳しくは、『更年期障害になるとセロトニンが不足しやすい』をご覧ください。

    女性は男性よりセロトニンが不足しやすい!

    女性はすぐ感情的になる」とか「女性はヒステリックになりやすい」、と表現されるケースが多く見かけられますが、それは根拠のないデマでしょうか?その他にも、女性は冷え性になりやすいとか、不眠や便秘にも女性のほうが男性よりもなりやすいとも言われています。

    詳しくは『女性はセロトニンが不足しやすい』をご覧ください。

    こうした話の背景には、女性特有の月経周期と女性ホルモンの増減の影響以外に、男性と女性のセロトニンの分泌量の差が大いに関係していると考えられており、PMS(月経前症候群)の発生や、PMSの悪化、また閉経後の更年期障害の発生などとも関係があります。

    女性の場合、生理周期の特定時期になると、視床下部がプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌を抑制しだし、そのときセロトニン神経の活動も抑制されてしまうため、セロトニンの分泌量が減少してしまうとされます。

    このことから、脳内でセロトニンを生成する能力は男性のほうが女性よりもおよそ50%程高い、または、女性は男性の半分程度であるとされています。

    つまり、もともと女性は男性よりもセロトニンが不足しやすく、上で挙げたような感情的になりやすい、ヒステリックになりやすいなどの、セロトニンが不足している人に起こりやすい症状が現れやすいというのも事実であるといえます。

    したがって、女性は感情的になりやすいというのは、あながち嘘でもないのです。

    便秘を起こしやすいのもセロトニン不足の影響が

    ストレス等によって腸のぜん動運動に異常が起こり、便秘や下痢などを引き起こすIBS(過敏性腸症候群)と言われる症状は女性のほうが発症しやすいことからも、女性がセロトニン不足を起こしやすいことを垣間見ることができます。(※IBS患者数は女性のほうが男性よりも2倍多いと言われています。)

    日本人の誰もがセロトニン不足になりやすい

    現代の日本はセロトニンが不足する要因が蔓延しています。

    小さい頃から受験や習い事などで忙しく、年々子供の睡眠時間も減り続け、受験戦争を生き抜いて大人になってもブラック企業に就職すれば、待っているのは上司のパワハラ、その上、薄給と長時間残業。子どもから大人までがストレスまみれです。

    ストレスだらけの生活に嫌気がさして仕事を辞めれば、不景気で新たな職も無く、気がつけばニートや引きこもりになり、一日中部屋に閉じこもるしかありません。ちなみに引きこもりもセロトニンが不足する原因となります。

    負け組の生活に怯えながら、ストレスを我慢して一生懸命働いても、定年後に待っているのは熟年離婚かもしれません。

    このような状態が続く日本は、社会全体が病んでしまっていると言えるでしょう。そして、こうしたストレスだらけの環境で過ごしていると、誰しもが知らず知らずのうちにセロトニン不足やセロトニン欠乏脳になってしまっている可能性があります。

    セロトニン不足の解消方法

    どうすればセロトニンが不足しないように生活出来るでしょうか?

    実は、(当然といえば当然ですが)セロトニン不足を解消する方法は、『セロトニンが不足する原因として挙げたことの逆』を実践する事にあります。

    セロトニンが不足する原因となるのは、以下のような事柄です
    ・太陽光を十分浴びない
    ・ストレス
    ・運動不足
    ・ダイエット・偏食・好き嫌い
    ・不規則な生活や睡眠不足
    ・人との交流やコミュニケーション不足
    ・腸内環境の悪化

    つまり、ストレスや運動不足、偏食や不規則な生活などが、セロトニン不足の原因となるのであれば、その逆にストレスを溜めない、運動をする、規則正しい生活やバランスのとれた食事をすること、腸内環境を整えること、などがセロトニン不足を解消する方法であると言えます。

    セロトニン不足の解消の詳しい方法は、次のページ『セロトニンを増やす方法』でご紹介します。

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    参考文献
    厚生労働省 e-ヘルスネット – セロトニン
    国際生命情報科学会誌 – セロトニン神経活性化の臨床的評価:脳波α2成分の発現
    NCBI – PMID:1752859
    NCBI – PMID:25108244
    Wikipedia – セロトニン
  • 睡眠相後退症候群(DSPS)とは

    読むのにかかる時間: 1未満

    睡眠相後退症候群とは、睡眠の時間帯や睡眠リズムに関する睡眠障害(概日リズム睡眠障害)の一種で、夜寝る時間と朝起きる時間が通常の人よりも遅く固定された「遅寝遅起」の症状を示します。この病気の症状を端的に表すと、「慢性的な一人時差ボケ」とでも言えるかもしれません。症状の改善には光目覚ましのご利用をご検討下さい。

    睡眠相後退症候群の特徴

    睡眠相後退症候群のイメージとしては、一般的な社会生活(学校や会社)に適した就寝時間と起床時間が、仮に夜12時就寝・朝7時起床だとして、そうした時間に寝たり起きたりする生活を維持することが困難で、もっと遅い時間、夜3時に寝て朝11時に起きるようなリズムに就寝と起床リズムがズレこんでしまっている状態です。

    睡眠相後退症候群が、不眠症などの睡眠障害と異なる点は、全く眠れないわけではなく、深夜遅い時間だとしても一定の時刻になると眠たくなって眠ることが出来るという点です。朝も同様に、朝早く目覚めることが困難ではあるものの、時間の経過とともに昼ごろには目覚めることができるという特徴があります。

    通常は幼少期から思春期に発症し、成人になるにつれてあらわれなくなりますが、症状がそのまま固定されてしまう人もいます。また、遺伝的な要素もあるようで、家族の誰かが同じような症状を持っているケースも多いようです。

    特徴を以下にまとめます。

    • 幼少期から思春期にかけて発症しやすい
    • 大人になると症状が収まることが多いが、そのまま症状が続く人もいる
    • 午前中は起床することが辛く、起きても眠い
    • 夕方以降から深夜に向けて体調が良くなる
    • 睡眠時間が極端に不足しているわけではない
    • 睡眠時間は8時間以上など、長くなる傾向がある
    • 休日に寝貯めをすると、その夜眠れなることが多い
    • 生活リズムがすぐに崩れやすい

    睡眠相後退症候群による社会的な問題

    睡眠相後退症候群が抱える問題は、症状そのものというよりも、社会的な生活に支障が生じるという点にあります。

    睡眠相後退症候群は、寝たり起きたりする生活リズムが、一般的な人の生活リズムよりも遅いため、生活リズムは言わば「遅寝遅起」になり、例えば朝7時に起きて夜12時に眠るような、一般的な社会生活を送ることが困難になるケースも多々あり、不登校や引きこもりの原因になることも考えられます。

    • 起きたり眠ったりする生活リズムが人よりも時間が遅れている、遅寝遅起
    • 一般的な社会生活を送ることが困難な場合がある
    • 朝早くは起きれないため、周りから甘えや怠惰だと思われやすい
    • 単なる生活習慣の乱れと勘違いされやすい
    • 本人が病気であることをを自覚しにくく、自分がダメな人間だと思い込んでしまう
    • 朝起きられないので、不登校や引き篭もりを引き起こしやすい
    • 無理やり早起きすると、日中の眠気、集中力低下、疲労、倦怠感が現れやすい
    • 無理に生活リズムを早めようとすると、かえって大きく生活リズムを損なってしまうことがある
    • 生活習慣の改善や、治療などにより生活リズムを早くしても、容易に再発する(根治が困難)
    • 長時間睡眠する傾向
    • 朝起床時の体温が低い(36度以下)傾向がある

    睡眠相後退症候群の症状

    睡眠相後退症候群の症状を紹介します。

    • 寝付きが悪い
    • 眠りが浅い
    • 朝起きると疲れを感じる
    • 日中の眠気
    • 頭痛
    • 疲労感、倦怠感
    • 集中力の低下
    • 意欲の低下
    • 気分の落ち込みや抑うつ症状

    睡眠相後退症候群と似た症状を持つ疾病

    睡眠相後退症候群と似た症状を持つ疾病が幾つかあります。

    特に自律神経の乱れによって起こる、自律神経失調症や起立性調節障害との違いは、素人目には見分けるのが困難ですので、該当する症状がある場合は、お早めに専門医へご相談下さい。

    睡眠相後退症候群の原因

    睡眠相後退症候群の原因は、特定には至っておらず、体内時計の乱れ、自律神経の乱れ、体温の日内変動リズムの乱れなど、様々な原因が推測されます。

    中でも、家族にも同様の症状を持っている人がいる可能性が高く、遺伝的な要因が見られることから、遺伝的に時計遺伝子の異常があり、体内時計の周期が人と違う可能性が挙げられます。また、ADHDなど発達障害を持つ場合も、睡眠相後退症候群を発症するケースが多く見られることから、発達障害との関係も指摘されています。

    睡眠相後退症候群の改善のために光目覚まし時計を

    睡眠相後退症候群という病気は、症状そのものの問題よりも、症状によって起こる朝寝坊や遅刻、欠席、そして不登校に繋がる社会生活にも悪影響が生じるという点に病気の本質的な問題があると考えられます。

    こうした問題を解決するには、症状そのものを治療して改善していく必要があります。睡眠相後退症候群の治療には薬物治療や食事療法、生活習慣の改善など、様々な方法がありますが、どれも一朝一夕では症状は改善せず、長い時間と根気の必要なものです。

    そんな中、睡眠相後退症候群の子どものために親がしてあげられることは決して多くありません。

    睡眠相後退症候群の子どものために親が出来る数少ない選択肢として、画期的かつ手軽に試せる方法が、光目覚ましによる自律神経系の乱れの改善と生活リズムの改善です。

    睡眠相後退症候群では、体内時計や自律神経系の働きに乱れが生じることから、朝起きることが非常に困難です。また、朝起きられないことが、夜寝付けないことにも繋がり、生活リズムが後退する悪循環も生み出しています。

    こうした生活リズムの乱れを改善するのに役立つのが、光目覚ましによる朝起きた時に「強くまぶしい光を浴びる」という効果です。これは太陽光の効果を模したもので、人の交感神経系が太陽光のような強い光によって、活性化されるという特性を活かした画期的な製品です。

    人は本来(大昔)、朝日が昇るとその光の刺激によって自然と目覚め、夜太陽が沈むと眠っていました。人の持つ体内時計も、こうした生活リズムに合致したものです。

    ところが現代人は、家の中でカーテンを閉めて眠るため、朝日を浴びるという習慣は失われてしまったため、人類が培ってきた体内時計や生活リズムも、以前よりも狂いやすくなってしまっていて、それが睡眠相後退症候群の原因として考えられる、体内時計の乱れを生む要因であると考えられています。

    光目覚ましは、朝日に似た強力な光を時間になると自動的に照射して、無理やり起こすのではなく、自然に目が覚める手助けをしてくれるため、睡眠相後退症候群によって起こる生活リズムの後退と、体内時計の乱れを改善することも期待できるのです。

    また、ベッド近くに置くだけで良いため、腰が重くなりがちな通院治療とは異なり、自宅にいながら手軽に試すことができます。

    詳しくは『光目覚まし時計』をご覧ください。

    ★次のページでは『睡眠相前進症候群』をご紹介します。

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  • アドレナリンとストレス

    読むのにかかる時間: 1未満

    アドレナリンはストレスに反応して分泌されます。本来、生物にとってのストレスとは、飢餓や外敵からの脅威など、生命の危機に関わるものが多く、アドレナリンの本来の働きも、生命の危機に瀕した際に、なんとか生き残るために分泌される緊急シグナルです。人間にとってのストレスとは、他の生物のそれとは全く異なる意味を持っています。

    現代人にとってのストレス

    人間も大昔の生活の中では、頻繁に生命の危機を感じることがありましたが、文明が発達した現代人にとってのストレスは様変わりし、私達が感じるストレスは、人間関係や仕事、勉強、貧困などが原因のものが多くなっています。

    そんな現代でも、ストレスを受けるとアドレナリンは分泌されます。現代人にとってのアドレナリンは、イライラ、不安、恐怖、焦り、緊張など、ネガティブな感情を引き起こす不要な物質であり、また、興奮して怒ったり、暴れるときに分泌されるなど、決して良いイメージのある物質ではないのかもしれません。

    アドレナリンの活用

    アドレナリンの本質は、ストレスに抗うことです。野生動物のように命の危機を感じるような状況はほとんどありませんが、人間社会には大小様々で多種多様なストレスが満ち溢れています。そうしたストレスに対しても、アドレナリンの効果や作用をうまく利用すると、生活のあらゆる面にプラスの効果を生み出すことができます。

    運動・スポーツ
    肉体を酷使する運動やスポーツは、それそのものがストレスであり、運動をすることでアドレナリンが分泌されます。そして、アドレナリンの持つ筋肉の増強や肉体への酸素供給量増加の作用を利用すると、運動やスポーツにおいてより良いパフォーマンスを発揮できるようになります。

    運動時にアドレナリンが分泌されると、血圧や呼吸は上昇し、全身への酸素の供給量は増加して、持久力が向上します。また、筋肉も肥大し、通常以上のパワーが引き出されます。筋肉の肥大による効果は、マラソンなどの有酸素運動よりも、短距離走やウエイトリフティングのような無酸素運動で特に有効です。

    スポーツ選手が競技の前に大声を出したり、顔を強く叩いたりしているのは、意図してアドレナリンを分泌させて、パフォーマンスを向上させるためです。
    また、コーチや監督などの立場では、試合前に選手をわざと強く叱咤激励することで、選手のアドレナリン分泌を促進させることも、よく用いられる手法です。

    勉強・学習
    アドレナリンは、脳を覚醒させて、集中力注意力判断力を高める作用があります。学校で授業を受けているとき、テストや受験に臨むとき、ぼーっとして臨むのと、集中して臨むのでは結果は全く変わってきます。テスト勉強をギリギリまでやらないタイプの子も、追い込まれるとアドレナリンが分泌して、思わぬ集中力を発揮出来ることがあるのです。

    仕事
    常に結果や数字が求められるビジネスの世界では、就業時間そのものがストレスの塊です。そうしたストレスで結果を残すためには、ストレスに打ち勝つためにアドレナリンを分泌させて、集中力判断力を高める必要があります。逆に言えば、ビジネスの成功者は、アドレナリンの分泌を適切に管理出来るような人であるとも言えます。

    ダイエット
    アドレナリンには、血糖値を上昇させることで食欲を抑制する効果があります。アドレナリンが分泌されると、肝臓での糖新生が促進され、肝臓でグリコーゲンの分解されて血糖値が上昇します。また、脂肪細胞では脂肪の分解が進み、血中へ放出します。この効果をすることと、食欲を抑えつつ脂肪の燃焼を促進させるダイエット効果が期待できます。

    また、アドレナリンが運動によって分泌されるという特性を活かせば、運動によるダイエット効果も相まって、さらに効果が高まります。

    ただし、極度の低血糖状態は心身への負担が非常に大きいため、適度の栄養補給は必要です。

    アドレナリンの分泌は長く続かない

    本来アドレナリンの分泌は、生命の危機のような状況を緊急回避するためのものです。そのため、ストレスによるアドレナリンの分泌はあまり長くは持続せず、長くても2時間程度だそうです。例えばボクシングや格闘技の試合中、骨折をしたまま戦い続ける選手が時々いますが、これもアドレナリンによる痛覚の遮断効果によるものです。試合中は強い興奮により、アドレナリンがバンバン分泌されますが、試合後にアドレナリンの分泌が止まると、急激に痛みが襲ってくるのです。

    ストレスが続くと枯渇することも

    極度のストレスが長く続く状況、例えば、常に生命の危機を感じる大災害や戦争のような場合で、絶えずアドレナリンが分泌される状態が続くと、やがてアドレナリンの原料が不足して、終いにはアドレナリンの分泌が枯渇してしまうことがあります。

    アドレナリンが枯渇すると、もはやストレスに抗うことはできず、無気力、無関心、感情鈍麻など極度の抑うつ症状が生じ、戦ったり逃げたりすることはできなくなります。戦争を体験した兵士や、震災を被災した人々がPTSD(心的外傷後ストレス障害)やASD(急性ストレス障害)を発症するのも、こうした強いストレスを受けたことが原因で、以後のストレスにうまく対応することができなくなるためです。


    このコーナーでは、アドレナリンについての話題を全3ページで紹介しています。

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