加齢臭の対策に効果があると言われる、『抗酸化物質』の一種である柿タンニン。スーパーや薬局で目にする「柿渋石鹸」には柿タンニンが含まれており、加齢臭の対策グッズとして人気があります。柿タンニンが加齢臭対策に効果があるのは、優れた抗酸化作用、消臭効果、殺菌作用があるためです。
柿タンニンとは?
柿タンニンはポリフェノールの一種で、「柿渋」に含まれる成分です。柿タンニンには、赤ワインの数十倍と言われるほど、高濃度のポリフェノールが含まれているのが特徴です。
柿渋とは、渋柿の果汁を発酵させて作られる液体のことで、古くから様々な使い道があり、日本では平安時代頃から木材用の塗料、衣服のための染料ややけどや霜焼け治療などの民間薬として活用されてきました。
柿タンニンには、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドを吸着する作用が判明し「シックハウス対策」として住宅の塗料として用いられたり、錆び止めや牛の飼料などにも活用されてします。さらには携帯電話基盤の金の回収や、抗ノロウイルス剤などにまで用いられるスーパー成分なのです。
人体においては、肌の引き締めや美白効果、消臭、殺菌作用、下痢の症状をを和らげる効果、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の予防と改善にも役立つといわれています。
こうした柿タンニンの持つ働きの中でも、消臭や殺菌作用が加齢臭に効果的であると考えられています。
干し柿から柿タンニンを摂取する
柿タンニンを豊富に含む「渋柿」はそのままでは食べられたものではありません。口にした事がある方はお分かりかと思いますが、あまりの渋さに驚愕してしまいます。
渋柿の柿タンニンを簡単に摂取する方法は、「干し柿」を食べれることです。干し柿自体はもともと渋柿を使うのですが、干すことで渋みがなくなり甘みに変化するのです。干し柿を食べることで、体内に抗酸化物質である柿タンニンが入って、体の持つ抗酸化力が高まることで、体の内側から加齢臭の対策をすることができます。
ただし、干し柿を摂取する場合は、食べすぎには注意が必要です。過剰に摂取しすぎると腸粘膜が刺激され便秘になることがあると言われています。
柿タンニンの効果
柿タンニンは、古くから生活の中の様々な分野で使われてきました。変わった使われ方では、ミイラの防腐剤として使われたという記録もあり、昔から高い汎用性を持つ成分として重宝されてきたことがうかがい知れます。江戸時代などには着物の染料としても広く使われてきたことから、当時より柿タンニンの持つ消臭効果は広く知られていたのでしょう。
柿タンニンは近年では、加齢臭対策の定番ともなりつつあり、様々なデオドラントグッズの消臭成分として配合されています。
抗酸化作用
柿タンニンはポリフェノールの一種です。ポリフェノールは植物の苦味や渋味などの成分に含まれる物質の総称で、赤ワイン、チョコの原料であるカカオ、緑茶(特に煎茶)などに含まれる成分として知られています。他にも、カテキン、アントシアニン、イソフラボン、レスベラトロールなどがポリフェノールの一種として有名です。
ポリフェノールには活性酸素を除去する抗酸化力があるため、食事から習慣的にポリフェノールを摂取することで、体の持つ抗酸化力を高める効果が期待できます。
参考:『加齢臭を予防するための食事とは』
柿タンニンは、ポリフェノールの種類の中でも、特に高い抗酸化力を持つ物質で、その効果は赤ワインや緑茶に含まれるポリフェノールの数十倍とも言われており、活性酸素の除去にも強い効果を発揮することが期待される事から、柿渋石鹸をはじめとした様々な加齢臭の対策グッズとして成分が配合されています。
参考:『加齢臭を予防するための食事とは』
消臭・殺菌効果
柿タンニンには、抗酸化作用とは別に優れた消臭・殺菌効果があると言われています。
▼消臭効果
柿タンニンを構成する分子には、フェノール性水酸基という、悪臭と結びつきやすい部位を持っており、これらが体臭悪化のもととなるアンモニアや、加齢臭の原因物質である『ノネナール』と結合して、無臭化することで体臭が悪化するのを抑えてくれると考えられています。
▼殺菌効果
柿タンニンには、抗酸化作用や消臭効果と並んで、優れた殺菌効果が期待できます。柿渋石鹸などを使うと、柿タンニンが皮膚表面の雑菌の繁殖を抑えるてくれます。ニオイを生み出す雑菌を抑えてくれる柿タンニンの殺菌効果は、同時に加齢臭のイヤなニオイを長時間抑制する消臭効果にもなっているのです。
最近では、石鹸や消臭剤だけでなく、サプリなどでも柿タンニン配合のものがありますから、加齢臭に悩んでいる方は一度試してみると良いでしょう。
photo credit: Persimmons (license)