現代社会には、様々なメラトニン不足の原因が潜んでいます。
その原因の多くは、現代社会特有のものであり、全てを避けて通ることは容易ではありませんが、原因を知っておくことで、予防や対策を立てる助けにはなるかも知れません。


メラトニンが不足する原因

メラトニンがうまく分泌されなくなる原因は様々ですが、特に現代の人間社会の生活様式が大きく関わっていることが考えられます。

1.人工光が増え、日光が減った
メラトニンが自然と分泌される理想的な生活サイクルは、太陽の光と共に生活する 現代の社会は、昔よりも室内で活動する時間が増え、高性能化し続ける照明や、携帯・スマートフォン、テレビ、パソコン、ゲーム端末等、自然光以外の光を昼夜問わず浴びています。
逆に、太陽光に含まれる紫外線は、有害視されるようになり、自然な太陽光を浴びる機会は年々減少傾向にあります。
紫外線ケアはもちろん大事ですが、健康的にメラトニンを分泌させるには、日光は欠かせません。
2.生活リズムの乱れ
現代社会は、大人も子供も、とても忙しく生活リズムが乱れがちです。
そんな忙しい生活の中で、人々は睡眠を犠牲にしがちで、日本人の平均睡眠時間は、他の先進国に比べても、短いものとなっています。 また、先に紹介したような人工の光の氾濫、つまりパソコンやスマートフォンを始めとする電子機器の急激な普及も、生活リズムを乱す要因になっています。
生活リズムが乱れると、体内時計を司る自律神経系が弱り、メラトニンや、メラトニンを生み出しているセロトニンの分泌リズムが乱れたり減少してしまいます。
3.多様化するストレス
社会生活上のストレスも、メラトニンが不足する原因として影響するものであると考えられます。
メラトニンの分泌に大きく影響する脳内物質である『セロトニン』は精神を鎮静させ心をリラックスさせる効果があり、普段は我々を様々なストレスから守ってくれています。
しかし、 現代社会に生きる人々の多くがそうであるように、常に何らかのストレスに晒され続けていると、ストレスホルモンとして知られる、コルチゾールや糖質コルチコイドという副腎皮質ホルモンの分泌が増え、セロトニンの働きを抑制してしまうのです。
セロトニンはメラトニンを分泌する働きがあるため、セロトニンの働きが抑制されると、メラトニンも不足してしまうのです。

メラトニン不足の原因はセロトニン不足

メラトニンの原料となる、セロトニンがうまく働いてくれなくなると、メラトニンも不足しまうという法則が成り立ちます。

更に、セロトニンが不足する原因を探っていくと、セロトニンの不足を招くのは、現代社会で起こる『様々なストレス』にあることが見えてきます。
避ける事が出来ない『ストレス』を抱える現代に生きる私達は誰しもが『メラトニン不足』になる可能性と隣合わせであると言えるでしょう。

では、メラトニンやセロトニンの不足の原因になる、『ストレス』とは一体何でしょうか?
参考:『ストレスについて

以下では、ストレスの原因になるものをご紹介します。

ストレスの原因(ストレッサー)
・物理的 (温度、湿度、騒音、振動、光、悪臭、部屋の狭さなど)
・化学的 (排気ガス・ホコリなどの有害物質、大気汚染、薬物、アルコール、タバコ、食事など)
・生物学的(細菌、カビ、花粉、ウイルスなど)
・身体的 (食欲・睡眠欲など生理的なもの、発熱、痛み、老化、疲労など)
・心理的 (恐怖、怒り、不安、不満、悲しみ、憎しみ、劣等感など)
・社会的 (人間関係、仕事のノルマ、生活環境、死、転勤、育児、失業、借金など)

『サムシングエルス!もう一つの発見― ストレスってなに? 』から引用

★次のページでは『メラトニンの増やし方』をご紹介します。