40歳前後の中年世代に発生する独特なニオイである『加齢臭』と、同じく中年世代の生活習慣に乱れによって起こるとされる『生活習慣病』。「体臭」と「病気」という一見すると縁遠い二つの事柄には、非常に似通った共通点がいくつもあるのです。
目次
生活習慣病と加齢臭
生活習慣病とは
生活習慣病は、食生活の乱れや運動不足、乱れた生活リズムなど、生活習慣の乱れによって引き起こされる病気の総称で、以前は「成人病」とも呼ばれていました。
糖尿病
高血圧
肥満(肥満は加齢臭を悪化させる原因にも)
心臓病
脳梗塞
ガン
などが生活習慣病として分類されます。
加齢臭とは
加齢臭は、加齢によって体内に活性酸素が増加して、その活性酸素が脂肪を酸化させて発生する過酸化脂質が、パルミトレイン酸という脂肪酸を酸化させることでノネナールという原因物質を作り出してニオイが発生する、中年世代特有の体臭のことです。
加齢臭が強い人は生活習慣病のリスクが高い
加齢臭のニオイが強い人は、何らかの生活習慣病を発症するリスクが高い人であると考えられます。また、加齢臭が出始めた人は、生活習慣病を発症するリスクが高まりつつあるといえます。
何故かというと、加齢臭も生活習慣病も、原因の多くが共通しているからです。
加齢臭と生活習慣病の共通した原因
加齢臭と生活習慣病には共通した原因がいくつもあります。
・体脂肪の増加
・乱れた食生活
・お酒やタバコ
・運動不足
・睡眠不足
・過度のストレス
これらの要因はすべて活性酸素の増加につながります。
▼真犯人は活性酸素
生活習慣病は乱れた食生活や生活リズム、酒やタバコ、運動不足の生活を続けたことによって体内で活性酸素が増加し、その活性酸素によって血管や内蔵、皮膚など体細胞が老化することで発症リスクが上がります。
加齢臭は加齢によって増える活性酸素によって、皮脂が酸化してノネナールが発生することで臭うことが原因です。また、生活の乱れも加齢臭を悪化させる要因として数えられます。
いずれにしても、生活習慣病も加齢臭も、根源的な犯人は共通して『活性酸素』なのです。
加齢臭と生活習慣病の共通しない点
加齢臭と生活習慣病の発生原因は共通しているものが多くありますが、共通していない点もあります。
決定的な違いは、加齢臭を定義する絶対条件は『加齢』なのに対して、生活習慣病は加齢が原因で起こる病気ではなく、生活の乱れが原因で起こるため、例えば若年層でも生活習慣病を発症する場合があるという点です。
ただ、若くして生活習慣病を起こすような生活をしている人の場合は、加齢臭ではなくとも、体内の活性酸素の増加によって皮脂が酸化しやすくなるため、何らかの体臭の変化を起こしている可能性が大です。
加齢臭は生活習慣病のサインでもある
「医食同源」とは、健康に過ごす上で医療も食事も根源は同じであることを表す言葉。同じように根源を共にする加齢臭と生活習慣病は「病臭同源」(病気と体臭は根底にある原因は同じである)とでも言えるのかもしれません。
つまりは、加齢臭が発生するということは体の中で生活習慣病が進行しているサインでもあります。また、別の言い方をすれば、「加齢臭は生活習慣病の一種である」とも言えるかもしれません。
「最近枕が臭い」と感じる人や、子供や孫、電車の中で嫌な顔されるなどの経験をした人は加齢臭が出始めているかもしれません。加齢臭の出始めは、生活習慣病が発生するリスクが増大している証拠でもありますから、加齢臭の対策と一緒に、生活習慣の見直しを進めましょう。