BMAL1(ビーマルワン、他の呼称として、MOP3、Arnt3、JAP3、TIC、Arndがある)とは、体内時計が正常に機能するよう調整する働きを持つタンパク質の一種で、哺乳類の時計遺伝子であると言われています。

BMAL1とは

BMAL1の生成量は人の概日リズムや自律神経の活動リズムと連動していて、昼間は量が少なく、夜間多くなるという性質があり、夜10時~深夜2時頃が増加のピークになるとされます。
また、この生成量は、太陽光にも影響を受けているとされており、太陽光を浴びないような生活習慣の場合は、BMAL1が慢性的に多い状態になる可能性もあると言われています。

BMAL1と肥満との関係

BMAL1は、ダイエット関連の記事でも度々登場することがあります。
これは、BMAL1はメタボリックシンドロームに関する研究の中で、脂肪細胞を作る酵素を増やす働きがあるとされたためで、そのためBMAL1の生成量が特に多い深夜は脂肪を溜め込みやすい(太りやすい)時間帯である可能性があることが示唆されており、夜遅い食事は太りやすくなる、または不規則な生活や夜型の生活をすると太りやすくなる、などの論拠の一つになっていることがあります。

実際、看護師やドライバーなどのシフトワークをしている人は、統計的に肥満やメタボ体型になりやすいこともわかっているそうです。

また、糖尿病と高血圧は遺伝が大きく影響するとされる病気で、そうした病気の家系を調べるとBMAL1の数に異常があることが判明したそうです。

こうしたBMAL1と、生活習慣や食事の時間帯、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病など生活習慣病などとの関係については、今後のさらなる研究の進展が期待されます。

参考文献
私が名付けた遺伝子Bmal1 – 日本時間生物学会(PDFファイル)
時計遺伝子BMAL1の脂肪細胞特異的な機能ならびに発現制御機構の解析