グレリン(Ghrelin)とは、胃から分泌されるペプチドホルモンで、成長ホルモンの分泌を促進するホルモンです。
食物から得る栄養の吸収率を上げて成長の促進(人体の機能維持)に寄与しています。
食欲増進ホルモンで肥満ホルモン
空腹時に多く生成され、食欲を増進させることから、「食欲増進ホルモン」とか「肥満ホルモン」などと言われることもあります。
体脂肪が減る(痩せる)と分泌量が増えて、より効率よく栄養を吸収出来るように働きます。
様々な疾病への効果
グレリンは、成長ホルモンの分泌促進や食欲を増加させるだけでなく、エネルギー代謝、循環器系や心機能など、人体の様々な機能に作用していることから、グレリンを利用して心不全・心筋梗塞などの心肺機能障害、拒食症などの摂食障害、ガンや糖尿病等々、様々な疾病の治療への効果が期待されていて、様々な研究が進められている。
睡眠不足で分泌が増える
グレリンは睡眠が不足すると分泌が増えることから、睡眠不足が肥満につながるという論拠の一因となっています。
ただし、グレリンは成長ホルモンの分泌を促進する効果があります。
成長ホルモンが分泌することで、皮膚や筋肉などの体組織の新陳代謝が活発になるため、その分、脂肪を燃焼させる効果が増加するとも言えますし、新陳代謝が活発になるということは、皮膚などの再生が活発になるため、若返りやアンチエイジングの効果があるとも言えますので、グレリンの分泌が増えること自体が悪いとも一概には言い切れないでしょう。
また、睡眠不足になるような生活習慣の場合、セロトニンも不足する可能性があり、セロトニンが不足することで、満腹中枢の機能が低下してしまい、満腹感を得られにくくなるため、過食傾向になってしまうことも考えられます。
レプチンと拮抗関係にある
グレリンは、満腹中枢を刺激して食欲を抑制するホルモンであるレプチンと拮抗作用にあります。
グレリンの分泌が増えると、レプチンの分泌が減り、レプチンの分泌が増えるとグレリンの分泌が減る。
これを言い換えると、痩せるとグレリンの分泌が増え、太るとレプチンの分泌が増える、という形になります。
こうした特徴を利用することで、効率的なダイエットや食欲のコントロールが期待されています。
また、グレリンと同じように食欲を増進させるホルモンとして、オレキシンというホルモンがあります。