昼寝をした後、頭痛を起こした経験はないでしょうか?頭痛が起きる原因は、自律神経系の作用によるもの、徐波睡眠の発生によるもの、昼食のせい、などが考えられます。
頭痛が起きる原因は自律神経系
昼寝をしているときは心身がリラックス状態になり、自律神経系のうち、副交感神経系の働きが優位になります。すると、血管が拡張し、血圧が下がり、血流は緩やかになります。ところが、昼寝から起きると、今度は交感神経系が働きを取り戻し、血管は収縮し、血圧が上がり、血流は速くなります。
こうした血管の拡縮や血液の流れの変化により、血管の周囲の神経が刺激されて、頭痛が発生するのではないかと考えられています。
頭痛は徐波睡眠の影響の場合も
特に、この頭痛の発生は、30分以上の長時間の昼寝をした時のほうが発生しやすい上、症状もひどく、長引きやすくなります。これは、長時間眠ることで、副交感神経がより強く働くことと、徐波睡眠の発生などにより、自律神経の働きに乱れが生じやすくなること、また睡眠慣性が働く事などが原因として考えられます。
昼食が頭痛の原因になることも
昼食時の食べ物等によって頭痛が発生する場合もあります。そうした原因になるのは、血管の収縮効果があるチラミンという物質を含む、チーズ、ワイン、チョコレート、レバー、キムチ、ハム、ソーセージ、サラミなどがあります。
チラミンの摂取で血管が収縮した後、昼寝をすると血管が拡張し、その反動の影響で頭痛が発生しやすくなります。
また、逆に血管を拡張する作用のある食べ物も、頭痛の原因になる場合があります。血管を拡張するのは、赤ワインやチョコレートに含まれるポリフェノールです。ポリフェノールを含む食材を摂取することで血管が拡張され、昼寝後に再度血管が収縮して頭痛が発生しやすくなります。
昼寝後の頭痛の原因と対処法
- 自律神経の働きで頭痛が起きることがある
- 徐波睡眠が起きると頭痛が起きることがある
- いずれも30分以上の昼寝をすると起きやすい
- チラミン、ポリフェノールが頭痛の原因になることも
- 頭痛を防ぐには、昼寝の時間を30分以内に抑える
尚、急激な血圧や血流の変化は、長期的には血管に負担をかけ高血圧症や循環器病、心疾患、脳梗塞など深刻な疾病の原因になる可能性もあります。いつも昼寝の後に頭痛が頻発する場合はそうした疾病の初期症状の可能性もありますので、昼寝を中止して、医師に症状を相談したほうがよいでしょう。
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