日本人の睡眠時間は先進国の中でも最低レベルです。
少ない睡眠時間で効率的に心身を休めるには、睡眠の質を高める必要があります。
今回は朝昼晩で誰でも簡単に実践できる、睡眠の質を改善するための3つの方法をご紹介します。
朝起きるとき
朝、目が覚めたらカーテンを開けて太陽光を浴びましょう。
目が太陽光を感じると、その刺激が脳に届き、セロトニンが分泌されます。
すると、身体の覚醒を司る交感神経系が刺激され、脳が目覚めるのを促します。
この交感神経系がしっかりと働かないと、日中の活動レベルが下がってしまい、だるい、集中できない、眠い、ぼーっとする、などの症状が現れてしまいます。
また、太陽光を浴びることで体内時計がリセットされます。
人間の体内時計は、どういうわけか24時間刻みではなく、人によって前後1時間ほどずれていて23時間~25時間程度のばらつきがあるとされており、これが生活リズムを崩す一因でもあります。
太陽光を浴びると、その後約14~16時間後くらいに睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が始まるように体内時計がリセットされます。
つまり、朝起きて太陽光を浴びることはメラトニン分泌を予約するようなものです。
メラトニンは、強い催眠効果を持つホルモンで、程よく分泌されることで、睡眠の質を高めてくれます。
ちょうど夜就寝する時に、メラトニンが分泌されるようにするために、朝の太陽光が重要なのです。
太陽光は非常に強い光で、例え曇りや雨の日でも、セロトニンの分泌と体内時計のリセット(メラトニンの分泌予約)には充分な明るさを持っています。
太陽光を浴びれるような環境にいない場合や、仕事などの都合で生活で昼夜逆転している人は、目覚まし用のライトを使用することで、太陽光を浴びるのに近い効果を得ることが出来ます。
昼食後
昼食後、軽く散歩してみましょう。
現代人はパソコンを使ったデスクワークが中心になっているため、どうしても運動不足になりがちです。
睡眠をとる目的の一つは、「体の疲れをとる事」ですが、運動を全くしないと体があまり疲れないため、睡眠をとる必要性が下がり、睡眠欲求が下がって睡眠の質を下げてしまうのです。
普段全く運動しない人であれば、昼食後に軽く散歩するだけでも、運動不足を解消する助けになるでしょう。
日頃睡眠時間が短く、睡眠不足を感じていて昼休みに昼寝をしたいと感じている人も多いかもしれません。
昼寝には優れた体力回復効果が見込めますが、一つ注意が必要です。
30分以上の昼寝をとると、夜の睡眠に影響が出て、睡眠の質をかえって悪くしてしまう恐れがあります。
昼寝は30分以内に留めましょう。
効率的で正しい昼寝の仕方は「昼寝のすすめ」をご覧ください。
夜眠る2時間前
就寝前に神経が興奮していると眠れません。
朝起きる時には、太陽光を浴びることで交感神経系を活性化させますが、夜はこの交感神経系を鎮める必要があります。
交感神経系を鎮めるには、対をなす副交感神経系を活性化させれば良いのです。
副交感神経系を活性化させるのは、「心身のリラックス」です。
ぬるめの風呂にはいる、アロマオイルを炊く、ヒーリングミュージックを聞く、部屋の明りのトーンを下げる、など心と体が心地よい、と思える事を積極的に行いましょう。
心身がリラックスすると、睡眠の質を高めるメラトニンの分泌が進み、自然と心地よい眠りに入ることができます。
ゲームをする、ホラー映画を見る、激しい音楽を聞く、運動する、熱い風呂に入る、酒や煙草、など交感神経系が興奮するような行為は睡眠の質を下げる要因になるためNGです。
また、スマホやPCの画面から発せられるブルーライトという強い光も脳を刺激して交感神経系を興奮させてしまうため、就寝2時間前からは控えましょう。