昼寝をとると、様々なリフレッシュ効果が期待できます。昼寝は、昼寝を取る時間の長さにより、いくつかの種類にわけられます。種類や時間によっても効果が異なりますので、ぜひ期待する効果が得られる昼寝時間を探してみてください。
昼寝の効果
- ・疲労回復
- 仕事や学習で脳や身体を使うと、身体には疲労の原因物質「FF(ファティーグ・ファクター)」が蓄積されます。昼寝をすることで、このFFを取り除き、午前中に溜まった疲労を回復することが出来ます。
※全て取り除くことは出来ません。 - ・ストレスの解消
- 睡眠には、優れたストレス解消効果があります。短時間の昼寝であっても、十分リフレッシュされます。
- ・集中力の上昇
- 寝不足の状態では、頭がボーっとして集中力の低下を招きます。集中力の低下は、学習効率、仕事効率、コニュニケーション能力、運動、判断力、などに幅広く悪影響を及ぼします。昼寝をすると、集中力が高まり、色々な作業効率が改善します。
- ・記憶力、学習能力の向上
- 睡眠の効果の一つに、記憶の整理があります。朝から晩まで頭を働かせっぱなしでは脳が疲れてしまうので、午前中の疲れを昼寝で解消すれば、午後の脳の作業効率も上がります。ハーバード大学の研究チームによると、昼寝をすることで学習能力が20%程度アップしたという研究結果が出たそうです。
- ・新たなひらめきを生む
- 睡眠によって、集中力が増し、記憶が整理されることで、取得された情報を脳の中で再構築して、新しいひらめきが生まれやすくなります。企画や研究のアイデアが煮詰まった時は、思い切って昼寝を取ってみるのもよいでしょう。
- ・睡眠不足を補う
- 日常的に睡眠が不足している人は、昼寝を取ることで、不足している睡眠時間をある程度は補うことが出来ます。
※全ての不足分を補うことは出来ません。 - 昼寝には、夜の睡眠よりも短時間で高い効果が期待出来ると言われています。これは、恒常性維持機構(ホメオスタシス)の働きによって、睡眠効果が向上するためだと考えられます。
- ・消化を助ける
- 昼寝をすると、消化に悪いイメージがありますが、胃などの消化器官の働きを司る副交感神経系は、身体が活発に活動している時よりも、眠ったり休息している時のほうが活性化されますので、昼寝は消化を助けてくれると言えます。
- ・心機能の負担軽減
- 昼寝によって、ストレスが解消されること、また、副交感神経系が優位に働くことで、血圧と心拍数の低下により、心臓や血管への負担が減ります。
- ・病気や事故の予防
- 昼寝には心臓への負担が減ることで、心臓の疾患をはじめ、生活習慣病のリスクが減るという研究結果があります。アルツハイマー病にかかる危険性も、習慣的に昼寝をすることによりかなり軽減されるそうです。また、昼寝によって集中力が上昇することで、車の運転や、機械の操作の精度が上がり、事故の発生リスクを予防することにも繋がります。実際、午後2時から4時は、人々の集中力が下がるせいか、交通事故の発生が最も多い時間帯です。
昼寝の時間別の種類と効果
昼寝には睡眠時間の長さからいくつかの呼び名があり、呼び名ごとに睡眠効果が異なります。
※ちなみに、文中のナップは英語で昼寝のことです。
- マイクロスリープ(数秒-数十秒)
- 殆どの場合、マイクロスリープは意図した昼寝ではありません。睡眠不足が蓄積された時などで強い眠気を感じているときに、本人の自覚なしに極短時間の睡眠状態になることを言います。ときに、ジャーキングという身体がビクッとなる現象を伴う「あれ」です。意識した睡眠ではないため、車の運転中などに起こると大変危険です。マイクロスリープの発生を防ぐためには、強い眠気を感じたら短時間の昼寝を取りましょう。
- ナノ・ナップ(10-20秒)
- 電車に揺られていつの間にか寝てしまうような状態です。睡眠効果自体は薄いですが、とても気持ち良いですね。一定のストレス解消効果を得ることが出来ます。
- マイクロナップ(2-5分)
- マイクロナップは、数分のうたた寝です。ほんの数分の睡眠でも強い眠気を緩和させる効果があります。
- ミニナップ(5-20分)
- ミニナップと言われる、短時間の昼寝は、脳の疲労を回復させて、集中力の向上や作業能率を上げる効果があります。
- パワーナップ(20分-30分)
- パワーナップ(power-nap)は睡眠などを研究する、社会心理学者であるジェームス・マース氏による造語です。マイクロナップとミニナップの両方の効果と、筋肉疲労の回復、脳に蓄積した不要な情報が消えて記憶力が向上するといった効果が期待できます。当サイトで推奨している昼寝は、概ねパワーナップの事を指しています。
- 長時間の昼寝(30-90分)
- 睡眠周期1回分の睡眠時間です。日頃の睡眠不足を補うなど、睡眠効果は高くなりますが、頭痛が発生したり、睡眠慣性が起こりやすく、夜の睡眠の質を悪化させるというデメリットもあります。長期間、こうした長時間の昼寝をとる生活を続けると、様々な疾患リスクも高まるため、30分以上の昼寝には注意が必要です。
★次のページでは『長時間の昼寝には危険性も』をご紹介します。