昼寝をした後に頭がボーっとしたり、眠気が増してしまうことがありませんか?それは睡眠慣性が働いているせいかもしれません。長時間の昼寝をすると、睡眠慣性が発生しやすく、午後の仕事や勉強に身が入らなくなってしまいます。

長時間の昼寝が睡眠慣性の原因に

昼寝をした後に頭がボーっとしてしまうなど、睡眠慣性の症状が発生するのは、徐波睡眠が発生しまっているためです。 徐波睡眠は一般的には入眠後30分経過後くらいに発生する深い眠りであるとされていますが、この時間には個人差があり、その日の体調によっても差があります。

広島大学の林光緒准教授らの研究(居眠り事故を未然に防止するための睡眠・覚醒管理技術の開発)によると、成人の場合で、20分~30分以内の仮眠であっても、43%の人に徐波睡眠が現れ、15分~20分以内の仮眠でも23%の人に徐波睡眠が現れると言います。

また、徐波睡眠が現れず、かつ仮眠の効果が発揮される最も適切な仮眠の時間は9分~15分であるとされました。

最適な昼寝時間は?

目をつぶった瞬間にすぐ眠れるわけではないのと、眠りが浅すぎても睡眠効果が十分に得られないことから、入眠までの5分程度を合わせて15分~20分間程度の昼寝時間が最適であると言えます。

カフェイン摂取も有効
睡眠慣性を生じさせないようにするには、昼寝をする前にコーヒーやお茶などのカフェインを摂ると良いです。カフェインは摂取後、20分後くらいから血中濃度が増して覚醒効果を発揮するので、必ず『昼寝の前』に摂ることが重要です。

強い光で交感神経系を刺激
詳しくは『光目覚まし時計』をご覧ください。

昼寝のまとめ

  • 昼寝にはストレス解消や疲労回復など優れた効果がある
  • 長時間の昼寝は頭痛、肥満、睡眠の質の悪化、疾病リスクの増加も。
  • 昼寝の良い効果だけを得るためのポイントは、『昼寝は30分以内
睡眠慣性が生じない最適な昼寝時間
(睡眠時間)10分~15分 + (入眠までの)5分 = 15分~20分
昼寝での睡眠慣性を防ぐには
(1)昼寝前のカフェイン(コーヒーやお茶)
(2)昼寝後の光刺激(太陽光や強い照明光)

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