ナチュラルキラー細胞(NK細胞、natural killer cell)という細胞をご存知でしょうか?
ナチュラルキラー細胞は、病気への免疫力を高める作用があり、抗ガン作用などに注目が集まり、ガン治療に活かすべく、研究が盛んに行われている細胞です。なかでもβグルカンという物質がナチュラルキラー細胞を活性化させるということが話題になっています。

ナチュラルキラー細胞とは

日本語で直訳すると、「生まれながら(natural)の殺し屋(killer)細胞(cell)」と言う意味になる、ちょっと格好いい名前のこの細胞は、ヒトの体に生まれつき備わっている「自然免疫」の役割を担うリンパ球の一種で、その形状から大型顆粒リンパ球とも呼ばれます。

ナチュラルキラー細胞が注目を集めている理由は、この細胞が「ガン細胞を攻撃して破壊する」ということ、また、人に生まれつき備わっている「自然免疫」を利用したものであるため、副作用が少ないという点から、新しい有効なガンの治療法として効果が期待されているからです。

NK細胞はガンの治療には非常に効果的な細胞ですが、人の体内での活動数には限界があり、従来の研究では安定して培養・増殖させることが出来なかったのですが、ANK療法と言う新しい治療法では、NK細胞の活性化と増殖の両立が実現したということですが、現時点ではまだ非常に高額な治療法です。
(目安とされる、12回治療の総額は約400万円とのことです。)

NK細胞は病気への免疫力を高める

ガン治療の現場では、NK細胞を利用した新しい治療法が日々研究されています。
しかし、私たちの体の中のNK細胞の持つ自然免疫には抗ガン作用だけでなく、風邪などを始め様々な病気の予防する効果があるということです。

自己の体内にあるNK細胞を日頃から鍛えれば免疫力が上がり、風邪やインフルエンザなどにかかりにくくなったり、ガンや生活習慣病にもかかりにくい体作りが出来るのではないでしょうか。

体内のNK細胞を自然に活性化させるには

私たちが体の中に持つ、NK細胞を活性化させるためのポイントをいくつかご紹介します。

  • NK細胞は自律神経の働きに影響される
  • 副交感神経が優位な状態に活性化される
  • 交感神経が優位になるとNK細胞の活性度が下がる
  • 食事はタンパク質と緑黄色野菜、生野菜や果物に豊富に含まれるビタミンやミネラルが効果的(つまり、バランスよく食べると良い。)
  • お酒を飲み過ぎるとNK細胞の活性度が下がり、免疫力が落ちやすくなる。
  • 美味しいものを食べたり、楽しい気分の時はNK細胞が活性化されて免疫力が高まる
  • 喫煙でNK細胞の活性度が低下する

自然にNK細胞を活性化させる上で注目すべきなのは、やはり食事です。
最近注目されている『βグルカン』という物質には、NK細胞を活性化させる効果があるとされています。

βグルカンはキノコや酵母などに含まれる多糖類で、腸の免疫担当細胞に働きかけ免疫力を高めて、ガン細胞の抑制やアレルギー性疾患、糖尿病に高い効果があるとされています。
βグルカンは空腹時に摂取すると効果的とされています。

また、ブロリコというブロッコリーから抽出される成分はβグルカンを豊富に含んでいるとされます。
※ブロリコはブロッコリーから抽出されますが、特別な方法で抽出されるので、ブロッコリーを食べただけでは効果が無いようです。