シックハウス対策は、主にホルムアルデヒドやVOC等の化学物質に代表されるシックハウスの原因物質を低減、除去する事が重要です。現在では新築やリフォームを施工する場合、建築基準法により、シックハウスの原因として厚生労働省より名前のあがっている化学物質の含有量に規制が敷かれており、住宅建材メーカーや家具メーカーでもこれらの規制に基づき、原因物質をなるべく減らした製品づくりが取り組まれており、建材毎のJIS規格の表示なども行われています。

住宅業界でのシックハウス対策

生活に関わる全ての製品から完全にホルムアルデヒドなどの原因物質が取り除かれたわけではなく、建築基準法の改正により2003年にホルムアルデヒド等のシックハウスの原因物質の規制が開始された以降、厚生労働省の室内濃度指針値を超えた新築住宅は急減しましたが、医療機関にかかるシックハウス患者は減っていないと言います。

基準値を満たしているにもかかわらず新築などで新たにシックハウスを発症する原因は、住宅の高気密化や換気性が関係していると言われています。

家庭でのシックハウス対策

住宅の高気密化により、換気性が悪くなると、空気の流れが止まる場所が現れ、こうした場所に原因物質を含んだ建材、家具、壁紙や合板などが使用されていると、その場所の原因物質の濃度が上がり、シックハウスを発症させる可能性が指摘されています。

■適度な換気を心がける。

  1. 24時間換気システムのスイッチは切らずに、常に運転するようにする。
  2. 新築やリフォーム当初は、室内の化学物質の発散が多いので、しばらくの間は、換気や通風を十分行うように心がける。
  3. 特に夏は化学物質の発散が増えるので室内が著しく高温高湿となる場合(温度28℃、相対湿度50%超が目安)には窓を閉め切らないようにする。
  4. 窓を開けて換気する場合には、複数の窓を開けて、汚染空気を排出するとともに新鮮な空気を室内に導入するようにする。
  5. 換気設備はフィルターの清掃など定期的に維持管理する。

■化学物質の発生源となるものをなるべく減らす。

  1. 新しい家具やカーテン、じゅうたんにも化学物質を発散するものがあるので注意が必要。
  2. 家具や床に塗るワックス類には、化学物質を発散するものがあるので注意が必要。
  3. 防虫剤、芳香剤、消臭剤、洗剤なども発生源となることがある。
  4. 化粧品、香水、整髪料なども影響することがある。
  5. 室内でタバコを吸うことは避けたほうが望ましい。
  6. 開放型ストーブ、排気を室内に出す暖房器具(ファンヒーター等)の使用は避け、排気を外部に出すもの(FF式ストーブ等)など室内空気の汚染が少ない暖房器具を使用することが望ましい。

国土交通省『シックハウス対策パンフレット』より 

シックハウスの原因物質は多岐にわたり、また個々人により原因物質が異なるため、特定の物質にだけ気を配ればよいというわけではありません。
まずは、どのような物質がシックハウスの原因となるのかを正しく知ることがシックハウスの対策の始まりと言えるでしょう。