夜の寝付きが悪い。朝起きるのが辛い。昼間は眠たい。一日中、ボーっとして仕事に集中できない。そして、夜になると目が冴えて眠れない。そんな辛い毎日を過ごしている人が増えています。そんな寝付きが悪い人に試してもらいたいのは、日光浴です。その理由などをご紹介します。

寝付きが悪い原因

寝付きが悪くなるのには、いくつか原因が考えられます。一般的には以下のようなことがよく言われています。

  • 湿度や温度(高すぎるか低すぎる)
  • 音がうるさい
  • 寝る直前に食事
  • ブルーライト(スマホやパソコンなど)
  • ストレス
  • 運動不足

寝付きが悪くなる原因は人によって様々ですが、音や温度などの生活環境や運動不足や直前の食事など比較的自覚しやすい原因の場合は、その原因自体を解消することで寝付きの改善が望めますので、『快眠のための10のコツ』を是非お試しください。

寝付きの悪さにはストレスが関わっている事も多く、ストレスがあると感じている人の場合は、是非『誰でも出来るストレス解消法』をお試しください。

原因がわかれば対処法もあるのですが、問題は、生活習慣を改善したり、快眠法や快眠グッズを試したり、今まで原因になりそうなことは散々試したけれどほとんど効果がなく、『寝付きが悪いが原因がよくわからない』という人です。

不眠症や睡眠障害は治療が必要
寝付きが悪い原因がわからない場合、まず睡眠時無呼吸症候群睡眠相後退症候群不眠症をはじめとした睡眠障害の可能性があります。また、うつ病などの精神疾患を患っている場合も、不眠症状が表れやすいので、こうした疑いがある場合は、すみやかに医師の診断を受けることをお勧めします。

それ以外で、現代人の多くが知らず知らずのうちに陥っているのが『自律神経系の乱れ』による寝付きの悪さです。今回はこの『自律神経系の乱れ』にスポットを当ててご紹介したいと思います。

なぜ自律神経系が乱れると寝付きが悪くなるか

自律神経系とは、交感神経系副交感神経系からなる、人の生活リズムと連動した働きを持つ神経系です。

日中は、仕事や勉強、運動や労働などをするために交感神経系が優位に働き、心身の覚醒を維持します。夜になると日中に酷使した脳や体を休めるために、副交感神経系が優位になり、脳と体を休息させるために睡眠をとります。

朝起きて、昼間は活動し、夜になると眠る。この、人の基本的な生活リズムを支えているのが自律神経系なのです。

この自律神経系が乱れると、普段当たり前の生活リズムを維持する力が弱くなり、朝になっても起きれない、昼間は体がだるくて動けない、夜になっても目が冴えて眠くない、といった『生活リズムの乱れ』が生じやすくなります。

この自律神経系の乱れによって生じた生活リズムの乱れによって、『夜眠るべきときになっても寝付けない』という症状が起こるのです。

そもそも、なぜ自律神経系が乱れてしまうのか

自律神経系が乱れると、生活リズムにも乱れが生じやすい、ということがわかりました。では、そもそもなぜ自律神経系は乱れてしまうのでしょうか?

不規則な生活
まず当てはまるのが、『不規則な生活』です。健全な生活リズムは、健全な生活をしてこそ維持することが可能ですが、現代社会ではとかく、一定の生活リズムを維持することが困難な場合があります。

ストレス
現代人は、会社や学校、家庭、地域など様々な場所で人との関わりの中にストレスを抱えながら生活しています。ストレスは、知らず知らずのうちに自律神経系を乱してしまう、厄介な存在です。ストレスは、精神的な落ち込みだけでなく、夜眠る際に神経を高ぶらせて、寝付きが悪くなる原因となります。

暴飲暴食
食事は私達の心身の健康に大いに関わっています。ダイエットなどによる偏った栄養摂取や、大量のアルコールの摂取、肉や油中心の食生活、香辛料の過剰摂取などは肝臓をはじめとした内臓を酷使し、自律神経系を乱します。

朝の目覚め方に問題あり

夜の寝付きが悪いのだから、夜、眠る前の行動に問題があるのだろう。

そう考えるのが自然な流れで、実際、そうしたケースはたしかに多いのですが、実はそこに落とし穴があります。自律神経系が乱れる原因として、現代人の多くに当てはまるのが、眠る前の行動よりも『朝の目覚め方』に問題があるパターンです。

寝付きが悪い人は、毎朝どのように目覚めているか、思い出してみてください。『目覚まし時計の音』で、辛くても『無理やり』起きていないでしょうか?

実はこの誰もが当たり前のようにやっている、『目覚まし時計の音で無理やり起きる』という朝の目覚め方が、夜の寝付きの悪さに影響をしているのです。

目覚まし時計の音で、無理やり起きる―。
これは脳と体をびっくりさせて、強制的にストレスを掛けて覚醒していることになります。実は、毎朝続くこの脳と体へのストレスこそが、自律神経系を疲弊させる原因そのものなのです。

ストレスホルモンが分泌
脳がストレスを感じると、副腎という内臓からコルチゾールノルアドレナリンアドレナリンといったストレスホルモンが分泌されます。

本来ストレスは、困難なことを達成したときの充実感や、新記録を目指すための厳しいトレーニングなど、心身を程よく緊張させる、生きる上での張りや生きがいといったものも該当します。

ところが、困ったことに、現代社会には避けようのない、過度のストレスが満ち溢れています。そして、朝から目覚まし時計で脳にストレスを感じさせるということは、心身が受けるストレスを、自ら増幅する行為でもあるのです。

過度なストレスは自律神経系を疲弊
ストレスはストレスホルモンの分泌と、交感神経系の興奮を生じさせます。ストレスによって夜の寝付きが悪くなるのは、夜になってもストレスによって交感神経系が刺激され続けるせいです。

ストレスが長期に及ぶと、今度はストレスホルモンの枯渇セロトニンの不足に繋がり、それが自律神経系を疲弊させて、やがて自律神経系が乱れる原因となるのです。

寝付きの悪さはうつ病などのサインでもある
自律神経系が乱れるような状態では、うつ病や不眠症を発症する可能性が高くなりますが、その一歩手前の症状として、『寝付きが悪くなる』という症状が多く見受けられます。つまり、寝付きが悪いということは、自律神経系が乱れているだけでなく、うつ病などの予兆でもあるのです。

自律神経系の乱れを防ぐには

ストレスが溢れる現代社会において、自律神経系に乱れが生じることは、ある意味で必然とすら言えます。実際、ストレスによって引き起こされるうつ病不眠症の患者の増加と、そうした疾患を起因とする自殺者数の増加などは社会問題にもなっています。

私達の夜の寝付きを悪くし、終いにはうつ病などを発症する危険性まである、『自律神経系の乱れ』を助長しているのが、先にご紹介した『目覚まし時計で無理やり起きる』という行為。では、目覚まし時計で無理やり起きる、しかも不快極まりないこの生活習慣は、果たして改善することが可能なのでしょうか?

実は、多くの人が見落としがちで、身近にある『たったひとつの方法』で、自律神経系の乱れを予防したり改善出来る可能性があります。

朝日を浴びること

自律神経系の乱れにより、寝付きが悪くなってしまっている人が、症状を改善するのに有効なのが、毎朝同じ時間に『朝日を浴びる』ということです。

太陽光には強い覚醒作用と、体内時計の調整作用があり、朝日を浴びることで、体内時計をリセットして、乱れた自律神経系も正常化させる効果が期待できるのです。

また、朝に十分に陽の光を浴びることで、『セロトニン』という脳内の神経伝達物質を分泌する、セロトニン神経の活性化によって、セロトニンの代謝物である『メラトニン』という睡眠ホルモンの分泌が予約されるのです。

メラトニンは、朝、セロトニン神経が活性化されてから、14~16時間後に時限的に分泌される、体内時計と同調した性質を持つホルモンです。

ということは、朝の太陽光を浴びていなかったせいで、セロトニン神経が活性化されず、夜になってもメラトニンの分泌が十分に行われなかった、ということも起こるわけで、朝日を浴びるということは、自律神経系の乱れを改善するだけでなく、夜の寝付きの悪さそのものの解決策である場合さえあるのです。

自律神経系の乱れを改善する効果的な朝日の浴び方

  • 朝起きたらカーテンを開けて日光を部屋に取り込みましょう。
  • 曇った日でも日光には十分な明るさがあるので、曇りでも気にせず浴びて下さい。
  • 朝日を直接見る必要はありません。むしろ光が強すぎるので直接見てはいけません。
  • 期間は3ヶ月くらい継続して下さい。
    (セロトニン神経の活性化には長期間要します。)
  • 一回の時間は30分くらい浴びるのが効果的だと言われています。

何より継続が大事です。
毎日続けて朝日を浴びることで、自律神経系のバランスも徐々に改善され、徐々に夜の寝付きも悪さも改善されるはずです。

光目覚ましで起きるという選択肢も

朝日を浴びることで夜の寝付きの悪さが改善出来る可能性が高い!

ところが、忙しい現代人はゆっくり朝日を浴びることなんて出来ません。部屋に窓が無い、夜勤だから朝日を浴びれない、宇宙船の中で生活している、など何らかの理由でどうしても朝日を浴びることが出来ない人には、光目覚まし時計がおすすめです。

光目覚まし時計というのは、通常のアラームや音楽などの『』が鳴る目覚まし時計ではなく、時間になると『光』を発する目覚まし時計のことです。

詳しくは『光目覚まし時計』をご覧ください。

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